恋愛。苦手だった。自分を見せるのが
嫌だった。同性でも同じこと。自分が
全く信じられなかった。だから周りは
みんな敵だったし、毎日が怖くてたまら
なかった。特に理由があったわけでも
なく、必然とでも言うように自分を傷つけ
たい衝動に駆られた。トラウマになるまで
ひたすら傷つけた。生きている意味が全く
分からなかった。まさに出口の見えない
暗闇だった。今ようやく出口に近付いて
いる。なぜと考えても意味のないことかも
しれない、きっとそうだろう。そうなる
ように道筋が立ててあったのだ。インナー
チャイルドとの向き合い。常に他人を不愉快
にする自分という構図だった。他人次第で
自分は揺らいだ。いつ崩れてしまうのかと
怯えていた。常識について。精神世界がある
こと。愛の存在について。さんざん思考に耽り
解決の糸口を死に物狂いで探した。何のために
生まれてきたのだろう。思考を超えた世界。
歌との出会い。愛する人。執着や無常。奇跡
的な自然の美しさ。美術工芸品。そして今。
愛されること。自分を愛すること。誰かに
愛されるというより、海のような揺るぎない
存在に守られて溶けているという気づき。
自分自身は太陽のように黄金に輝いたり、
月のように真っ白な光を放ったり、今まで
感じたことのないような安堵や込み上げて
くる涙。この美しさを現実世界に表現する。
それだけで十分ではないか。歌を歌い、
愛する人に守られ一つであると感じること。