叶わない。
私の恋は絶対に実らないんです。
私が恋する人は、担任のせんせいなんです。
低い声も、細身な長身も、真黒な瞳も、長めの前髪も、
少し天然なのも、宇宙が好きなのも、辛いものが苦手なのも、
普段物静かなのに、あんなに声を荒くして、
私をいじめから救ってくれたのも、
ぜんぶだいすきです。だいすきで尊敬してるのです。
あなたのおかげで、化学だけ成績が上がってしまいました。
せんせいの授業が楽しみで、あんなに学校が辛かったのも嘘みたい。
いつも質問、答えてくれてありがとうございます。
君はほんとに化学マニアだね。
昔のぼくにそっくりだ。
まだまだ知りたいという、その気持ちが大事なんだよ。
言われた時、心臓がはくはくして、顔が真っ赤になりました。
嬉しくて。昔の貴方にそっくりだなんて。
でも、ごめんなさい。その質問、わざと本で調べてきてるのです。
せんせいと話すキッカケが欲しくて。
嘘ついててごめんなさい。けど、
私は子供で、
貴方は大人だけれど。
私が貴方をせんせいと呼ぶうちは、決して叶わない恋だけど。
これからも、
大好きです。