2ヶ月程前のこと。
携帯の修理で時間がかかるためひとり読書で時間つぶしをしていた午後。
平日のため私の隣にはおじいさんがひとり。
彼もまた修理待ちのようだった。
「お姉さん若いね。いくつ?」
見知らぬ人に声をかけられ戸惑ったものの、おじいさん話し相手がほしいのかと思い話をすることに。
年を言うと
「若いっていいね。一番楽しい時だろ?」
確かにまだ若いことは認める。けど、楽しくはなかった。
職場が倒産し再就職先の環境にうまくなじめず、彼氏には他に好きな人ができ終わりが近いと、むしろ酷い時期だったからだ。
そんなこと友達でもない人に話すものではないと思い、楽しいと嘘をついた。
その後、彼は納得したように今、自らが年老いて若い事がいかに素晴らしいかを話しはじめた。
旅をしたり、恋をしたり、子供が生まれたり。彼は自分の人生を幸せだったと感謝できる人だとわかった。
そしてひと段落して彼は私の生まれ年を聞いてきた。なんでも姓名判断ができるとか。
答えた瞬間、彼は驚きと期待を込めて、次に私の生まれ月をあててきた。
しばらくひとりで納得してから、この生まれのこの月生まれの私は優しくて、気が利いて、面倒見がよく嫁にするなら最高な人だと言うのだ。
正直、同じ年の同じ月生まれなんて世界中、いや学生時代クラスに何人かはいる。そんなカテゴリーで区分されてもと、話半分で聞いていた。
彼は旅先で出会った人、担当してくれた美容師さん、話しかけては姓名判断をしているが、私程素晴らしい人にはなかなか出会えないと。
そりゃ頑固なところがあるし、考えを曲げないし、悪いところもあると付け加えた。
私はむしろ自分の存在が周りに害を及ぼしている、消えてしまいたいと思っていた頃で、否定しても、謙遜するなと彼も引かない。
「彼氏いるんでしょ?」
胸が痛んだ。
「来年か再来年結婚するよ。言いにくいけど今の彼とは違うと思う。出会うならここ数ヶ月かな。ちょっと年上だろ。あなたを奥さんにできる人は幸せ者だ。」
「とにかくあなたは素晴らしい人だ。生まれ年だけじゃ完全に人はわからない。性格があるからだ。でも自分が素晴らしい人だということを忘れないで欲しい。」
「じゃあ、読書の邪魔して悪かったね。じいさんは消えるよ。」
そういって席を離れて行った。
姓名判断なんて、私のことなにもしらないくせに、なんの根拠もないのに...
消えてしまいたいと思っていた私の心に、もう少しだけ生きてみよう、彼のように年老いた時、今の苦しみも笑い話になる日がくるのではないか。
生きる気力をもらった。
数日後、彼氏とは別れた。浮気されて、捨てられた。
その件と、新しい職場に男性がいないことも重なり、もうしばらく彼氏はいらないと決めた。
更にことは重なり、仕事が起動に乗りはじめ毎日あっという間に過ぎ、おじいさんとの出来事すら忘れていた。
そして彼が言った「数ヶ月」たった今、「年上」の方と出会いがあったのだ。
とうとう先日「ゆっくり話したいからご飯でも行きましょう」とお誘いを受け、あのおじいさんとの出来事を思い出した。
まだ付き合ったわけでもないし、この人と結婚するかなんてわからないこと。
でもあのおじいさんへの感謝の気持ちを思い出していた。
素晴らしい人だと励まし続けてくれたおかげで、浮気後捨てられてもくじけずに今の私がある。
あのおじいさんとの出会いが私の運命をかえた。ありがとう、人生は素晴らしい。
それを伝えれるような人生をおくっていきたい。
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ななしさん
神様がもしいるなら、貴女の人生はまだまだこれからだよ、ほんのちょっとだけど、未来を教えちゃうよ♪って、その人と出会わせてくれたのかもしれないですね。
私も…多分貴女の倍ぐらいの時間を生きてますが、信じてなかった占いから人生がいきなり開けて、結婚して、子供が二人います。
占いの前の自分にもし会って話したら、びっくりするだろうな~と思います。
家庭を持ち、歳を重ねて、若い頃(今でも若いですが笑)を思うにつれ、山あり谷あり…谷が多かったですが(笑)…それなりに楽しかった、と思います。
いつか、歳を重ねて、おじいさんに出会った日の事を思い出した時、それよりも前の事を思い出した時、なんていうんだろ…何かこう、一日干したふかふか布団にくるまれたような感じになりますよ。
…って、個人的意見であって、いつか振り返った時にそう思わなくても、怒らないでくださいね。
貴女の未来がバラ色でありますように。
ちょっと先を生きている先輩からの、戯言でした。
ななしさん
すごいなあ
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