死にたい。でも死ねない。父親が事業に失敗鬱になり、母は昼も夜も仕事を掛け持って働いた。私には夢がある

死にたい。でも、死ねない。

父親が事業に失敗鬱になり、母は昼も夜も仕事を掛け持って働いた。私には夢がある。音楽家になりたい。
そのために、母は頑張ってくれた。
だから死にたいなんて我が儘ダメだってわかってる。
でも、あまりのお金のなさに私は楽器を買えないし、大学だって選べるところは限られる。
それでも、耐える。
そうきめたけれど。
高校、音楽がもっと出来るところを選べばよかった。部活は夜遅く、毎日四時間も寝れず、音は荒れていった。私は自信をすっかり無くしてしまった。
追い討ちをかけるように、一緒に暮らす祖母、もともと精神疾患をわずらっていたが悪化。妄想が激しくなり私の部屋を荒らしたりいろいろと大変なことが起きた。
父は鬱からなんとか立ち上がったが、今度はアル中。仕事はしているが、タバコ代も娘からもせびる。１日にタバコを2箱吸うし、酒も大量にのみ、おまけに大量に残す。
部活をやめることにしたが、夜働きの父は夕方に寝る。
最近は突然、寝るときに楽器を吹くなと言い出した。いつ吹けばいいのだろう。
父は本を読み散らかし、毎日三時間ほどしか寝ない。それで寝不足だとさわぎ、梯子から転落して怪我をした。スピード違反で二度捕まった。
捕まれば警官と口喧嘩をする。
おかげで、お金はどんなに母が稼いでも消える。
親戚にはもう頼れない。私たちは見捨てられた。
どうしてもそんな中では、無気力になる。学校では笑顔を絶やさないようにしている。もうこれ以上辛いことにはなりたくないから。
母は別れたいと言うけれど、ペットもいるし、別れればマンションにくらすわけだから、楽器は吹けない。
ピアノだって弾けない。
裁判すれば間違いなくこちらの勝ちだが、家や土地の名義を父方の祖母に帰られてしまって、私たちには何もできない。

彼氏がいる。
彼も似た境遇にいた。でも、彼の親戚は彼らを見捨てなかった。
彼の母は稼ぎがいい。だから彼は今もやりたいことをやれる。
でも、彼はずっと虚しさを抱えてる。そして病んでいる。故に中学生のころ訳もなく万引きにスリ、置き引きを繰り返し家裁送りになったらしい。家出もした。
そして彼は私と心中しようとする。でも、私は死ねない。そう言うと悲しそうに諦める。
だって、死んだら今まで私にかけられたお金が無駄でしょ。
私の頭には常にお金が過ぎる。お金しか考えていないのかもしれない。
彼もまた、お金によって思春期に万引きやらをしようとしたのかもしれない。

死にたい。でも、死ねない。
お金のために、死ねない。
苦しい。