心の底から大好きで、大好きだった女の子

ずっと大好きだった女の子がいた。
私はレズではないと思うし、めちゃくちゃ面食いで今まで好きになってきた人たちはみんなイケメンの男の子だった。

彼女の第一印象は最悪だった。共通の趣味もないし、すごく冷たくて感情のない子なのかな？とすら思った。でも関わっていくうちにだんだん素が見えてきて、クールな見た目とは対照的に愛嬌があって人懐っこい性格で笑顔が可愛い姿を見ていくうちに気づいたら好きになっていた。心を開いてくれたのが嬉しかった。

正直、彼女の見た目がタイプかと言われたらそう！とは言えない、まず私は女の子は恋愛対象じゃないし。でも、私は彼女のことを人として初めて好きになった。

彼女は私が持っていないものを全て持っていた。器用さ、運動神経、冷静さ、賢さ、好奇心旺盛なところ、そしてわざわざ努力しなくても自然体で人に愛される力。彼女は私の好きな人でもあったし、憧れの対象でもあった。彼女が本当に羨ましくて仕方がなかったし大好きで仕方がなかった。　

彼女にこの気持ちは言えなかった。彼女との関係が壊れてしまうのが怖かった。彼女のそばにいられなくなるくらいなら一生知らないままいてもらう方が良かった。

彼女を好きになってから2年がたった頃、スケジュールの違いから彼女との関わりが減ったことをきっかけに私の彼女のことを考える時間も減り、彼女に対しての恋愛感情は自然と消えていった。

そして、その年の冬、好きな男の子が出来た。背が高くて、優しくて、賢くて、モテる、顔の整った所詮　”イケメン”だった。彼は私のことを好きだっし、その時の私は彼とずっと一緒にいたいと思っていた。彼と一緒にいるとドキドキしたし、その感覚が新鮮で幸せだった。

でも、彼とは長くは続かなかった。私は彼のことをずっと好きだった、けど彼の気持ちはだんだん離れていってしまった。

そこから約半年間も苦しんだあとようやく彼のことを諦めることが出来た。そしてそこからまた半年が経った頃、好きだった女の子との関わりが増えた。

もう彼女に恋愛感情はなかったけど、人として彼女のことは尊敬していて大好きだったので一緒にいられることが幸せだった。ニコニコ笑ってる彼女をまた近くで見ることが出来るのが幸せだった。

人生で今までこんな感情を抱いたことはなかった。元々表面的な付き合いのみを得意とする私は、彼女以外の人を見てこんなに心から幸せを感じたことがなかった。スキンシップを取りたいと思えるのも彼女しかいなかった。

そして、初めてこの感情は愛なんじゃないかな、と思うようになった。
彼女とキスしたいとは思わないし、一緒にいてドキドキすることももうない。

彼女に彼氏が出来ても、結婚しても彼女が幸せならそれが私の幸せ。
私はただずっと彼女のそばで彼女の笑顔を見て、たわいもない事で笑いあっていたいだけ。

これが一過的な感情な感情なのか、それとも友愛とも恋愛感情とも違った名前のまだない感情なのかはまだ分からない。でも、彼女に恋愛感情を持ってたことは事実だし、今彼女のことを形はどうであれ愛してるのも事実。

彼女と私は春から別の道を歩む。
お互い忙しくなって彼女との関わりは減ってしまうと思う。でも、彼女と一緒に過ごした日々はキラキラ輝いていて私の宝物だったし彼女にとってもそうだったらいいな。

いつもありがとね。そしてこれからもよろしく。大好き。