その人の視線が優しいことがある。
その人の言葉が甘いことがある。
でも勘違いだったら怖い。
愚かに舞い上がって、周りから呆れられ、その人に嫌悪されるのが怖い。
例えその人が本当に少し私に興味があっても、それは後輩に向けられる感情でしかない。
からかっては、ニヤニヤ、それは愉快そうに笑っていることがある。
愚痴っぽいことや、気持ちをポロッとこぼしてくれることがある。
楽しそうに、キラキラとした目で私のことを見ていることがある。
私が愚痴った後、何のリアクションも返してくれないのに、本当に偶然?という感じで様子を見に来ていたこともある。
嬉しい、幸せ、そんな気持ちが溢れたような声で、とろけそうな表情でお礼を言ってくれることがある。
その人とだけ、目が合うと、一瞬時が止まるような不思議な感覚がある。
話す時はお互い視線を逸らさず、見つめながら話すことがある。
お互い見つめて、どっちかが笑うと、片方が同じように笑うことがある。
視線と表情でその人が何を言いたいのか、ちょっとわかることがある。
異性と指が触れて、その人とだけ自分でも驚くほど、心地よいと感じたことがある。
私が若くて、恋に憧れる、そんな女性なら、私は有頂天だと思う。
両思いを信じて、その人とのデートを想像して、きっと楽しくて仕方ない。
私は違う。
そんな若くない。
夢なんてない、現実から逃れられない哀れな大人でしかない。
これが勘違いだと良く知っている。
その人が私なんか好きになるはずはない。
その人に既にバレンタインを予約した。
義理チョコを、家族以外で一番長く送っている。
これまでは受け取ってもらえるか不安で仕方なかった。
緊張しつつ、悩み抜いたものをわたしていた。
今年はこれにしよう、そう決めてしまった。
受け取ってもらえなくても良い。でもその人用に買っておこう。渡せなくても、それで良いと。
たぶんその人は、喜んで受け取ってくれるだろう。
後輩からの純粋な敬愛だと信じて疑わずに。私がこんな風に気持ちを乗せていることすら知らずに。
だからその人の返しは、会社一律のお返し。でも、他の人と同じ返しでいいから。だって気持ちは知られたくない。
あくまで、これは、義理チョコだもの。
お互い、当たり前の存在になってきている気はする。
お互いを思い遣っていて当たり前。
良き先輩後輩の関係。
幸せなのかも知れない。そういう意味であれば。
貪欲な私は、愚かで、全然満足できないけど。
こんな風に関係性を築けた異性はいない。
同性でもそう。プライベートは踏み込まないけど、ここまで仕事において、お互いを信頼し合ってる人は居たことがない。
だから、私にとってはすごく大切な人。
またまとまりのない話になってしまった。
連休明け、またその人と会えますように。たくさん笑えますように。
お返事がもらえると小瓶主さんはとてもうれしいと思います
小瓶主さんの想いを優しく受け止めてあげてください