昨日は少し自分に失望していました。
理由は簡単です。自分がとても汚い生き物のように感じたからです。
わかっていました。
この恋が実らないことも。
この恋が浅ましく愚かなものなことも。
でも現実を直視すると、気持ちが揺れるんですね。
失恋した、というような感情はありませんでした。
そうだよね。やっぱりそうか。
安心したような、納得したような、傷ついたような、悟ったような、複雑な感情でした。
知っていた。
だけど知るのが怖かった。
何もないように過ごしていましたが、顔に出て無ければ良いな。
帰り道は自分が嫌だった。
別に誰も傷つけてない。
倫理的に、社会通念的に、法律的に何もやましいこともない。
でも、自分が愚かで、汚くて、情けなかった。
汚れの無い赤ちゃんに、洗ってない手で触れているような罪悪感がありました。
ピカピカの鏡に指紋をベタベタ付けているようなバツの悪さがありました。
情けなくて消えたかった。
消えてしまいたい。
自分が愚かにも行動を起こしたら、神罰に当たって居なくなれば良いんだと思いました。
でも情けないんですよね。
寝て起きたら、やはりその人のことが大切なのです。
会いたい。会えば幸せな気持ちになることも知っている。
私は純粋に、親が子に愛情を注いで見返りを求めないように、その人に善意と誠意で向かい合えるのだろうか。
あと僅かの時間であっても、その人のために何か出来れば幸せだと、穏やかな気持ちでいれるのだろうか。
関係が消えるその時に、淡々と事実を受け入れて、誰にも知られずに気持ちを整理できるのだろうか。
正直わかりません。
全然、その人、私を褒めないのです。
みんなを褒めていたのに、私には時たまダメ出しや、ちょっかいをかけるだけで。
他人と比較しちゃだめなのに、
私は取るに足りない存在なのかな、私に興味ないのかな、その人にとっては目立たない大勢の一人なんだろうな、
そう思って。当たり前のことで、期待するだけ損なのに。
帰り道、偶然一緒でした。
辛いから早く抜けようとも思いました。
でもあまりに飲んでいたその人が心配で、最後までいました。
私は、淡々といよう、後輩として先輩を心配してるだけだから、そう思っていました。
ぽつぽつと、その人が話してくれました。ご機嫌そうで、良かったな、と淡々と相槌を打っていたと思います。
その中で、私が良く叱られるのは、私が至らないから、嫌われてるのかなと思うこともあるんですよ。
みたいに伝えました。
そしたら、俺はこれまで叱ったこと無いよ。至らないとか、そんなことも思ったこと無いよ。
私さんは言いやすいからね、ついつい何でも言っちゃうんだ。もう長い付き合いだからね。
そこも気にしてあげないといけないな、とは思っているんだけどね。
そう穏やかに言ってました。
後輩に優しい人なんです。
私からも、その人に、
◯◯さんは裏表が無い人だから、言葉はそのまま受け取ってます。傷つけようって気も、嫌味じゃないのは分かってますから。でも傷ついたり、嫌だったら言うようにしています。
そう伝えました。
その人は笑っていました。
何でも言ってよ。すぐ言って。
私も言いました。
忙しくて掴まらないから、メールで送りつけてます。
その人は苦笑しながら。
すっきりするなら、それで良いよ。でも長文なのは困るなー。
って。
期待はしない。
この人は後輩全てに優しい。
役割がもつ責任に精一杯向き合って、そしてこの人自身が優しい。それだけなのだと。
終電を見送りました。
諸用があると言う、その人に荷物を預かりました。
その重そうな鞄預かりますから、さっさと済まして戻ってください。
そう鞄を奪い取りましたが、その人は、ちょっと困惑しながら、「いいの?大丈夫?」そう言われました。
去って行くその姿を見ながら、
鞄預けてくれるんだな。
大丈夫だよ、気にしないで、じゃなくて、時間大丈夫?の方の心配してくれるんだ。
とちょっと嬉しかったです。
でもその人が戻ってくるまでに考えました。
別れ際に後輩から、ちょっとふざけたおねだりもできるだろう。
甘えて多少引き止めることも出来るだろう。
後輩からの馬鹿なお願いだと、笑って許してくれるかもしれない。少しからかってくれるかもしれない。
でもそんな姑息な真似はしない。
私は、この人を傷つけない。
この人の気持ちに反することはしないんだと。
誠実でいよう、この人に対しては汚れ無く向き合おう。
そう、思っていました。
そんなふうに後輩が思ってるなんて、露とも知らないその人がニコニコ戻って来られたら、
電車遅れるかと心配していましたよ、
そう笑って荷物を渡して、見送りました。
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、その人が名残惜しそうにしてくれたのは、
例え、これから夜道を帰る後輩への、ちょっとした気遣いでも嬉しかった。
帰り道は、哀れな自分の大反省会でした。
でも好きになった人がこんなに優しく、愛情に溢れた人だったことは、私にとってとても幸せだったのかもしれません。
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