「アンタは色黒で、頭が大きくて、エラが張ってて、不細工やね。」
昔の母からの一言で、私は自分の顔が嫌いになった。
ガラスに反射する自分、ショーウィンドウに映る自分、洗面台の鏡に映る自分…。
当時はとにかく写真に入らないように必死だった。
友達やお医者さんは、そんなことはないと言ってくれたものの、私の心には大きな傷を残したのだった。
家に引きこもったが、このままではまずいと思い、コンビニでバイトすることにした。コロナ前だったので、すっぴんでレジに立った。粗治療である。
そうしたら、なんてことだろう。私のすっぴん顔に口出ししてくるのは、せいぜい50人いて、1人程度。みんながみんな、そこまで店員に目が向かないと気づいたのである。
みなさんはどうだろう?コンビニを利用した時、担当店員の顔なんて覚えているだろうか?…ほとんどはないだろう。
そして、なぜだか世界各国複数の男性から告白されることが増えた。聞くところによると、男性も容姿に自信がないらしい。
私は思った。醜いのは虚偽であったと。みんながみんな、美しい。心を見ていることが、身体醜形症を治す、キッカケになるのだと。
私は心を磨いた。人に嫉妬しないこと。安物でいいから似合う洋服を買ってみること。アファメーションを受けること。ご褒美に美味しいコーヒーを飲むこと…。
ずいぶん、母の毒が吐き出た気がする。
鏡は何度も見れるようになった。
醜形症は治ったようである。
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