眠っている間だけラク。
なのに眠りが深すぎて、あっという間に朝、また日付が変わってることに絶望。
ひとり会話。
もうひとりの見えない私と。
辛い、苦しい。
もうひとりの私は静かに微笑みながら頷く。
あなたは生まれてくることを許されて今ここにいるのだから、大丈夫。
孤独なのは誰もが同じ。
誰かと笑っていても、ひとりになれば誰もが同じ。ひとり。
あなたは見えない影と闘い続けているようなもの。
闘わなくていい、もっと力を抜いてごらん。
うん。分かってるの。
本当に私はバランスが悪い。
体はどこもかしこも緩い。
力が入らない。
眠ってばかりだから筋力も落ちてる。
食欲がないからどんどん痩せて力が出ないのは当たり前。
なのに心は常にどこか緊張していて苦しい。毎朝、不安で胸が苦しくて目が覚める。
そのくせ人に会えばものすごく明るい声を出して、
ハキハキ礼儀正しく喋ってる。
相手へのお礼も気遣いも忘れない。
ひとりの時の私と全く違う。
もうどこか山の中の静かなところへこもってしまいたい。
ひとりで朽ち果てていきたい。
食欲がなくても、あまりに食べなければお腹はすく。
餓死ってラクじゃない。
人間の生きる本能が邪魔するんだ。
意思とは別に。
大丈夫、大丈夫。
生きる価値はあるよ。
だから今も息をして目を開いているしおなかも空く。
あなたはちゃんと分かってる。
母親だって一人の人間で元気な時もそうでない時も、朗らかな時も苛ついている時もあったってこと。
本人にも仕方がないこともたくさんあったはず。
うん。分かってる。
それでも、私を怒鳴ったりする前に一瞬でもいい、考えてほしかったよ。
傷つける言葉を叩きつける前に。
私を諸悪の権化を睨むような目で見て憎しみを込めて殴りつけてくる前に。
その言葉を言われたら、幼い心がどう感じるか、どれほど傷つくか、それくらいのことは考えてから口を開いてほしかった。
手を挙げたりモノを投げつけたりする前に、どれだけ心を破壊し取り返しのつかないことをしようとしているのか気づいてほしかった。
お祖母ちゃんを、
私はどんな人か知らない。
小さい頃に何回も会ったことはあるけど、ぶっきらぼうな口調がちょっと怖かった。
優しかった、という記憶はない。
だから、分かるでしょ?
あなたの母親も同じだと。
お兄ちゃんの子供達は、あなたの母親に懐いていないよね?
好いていないよね?
このままあなた一人が苦痛を背負い続ける必要はない。同じことを繰り返さなくていい。繰り返していては、あなたの苦しみは終わらない。あなたは苦しみを終わらせたかったから敢えて孤独を選んできた。
あなたはそれを、負の連鎖を
終わらせられる。
終わらせられるからこそ、受けた傷の仕組み、傷を与える側の心理に気づいてきた。
娘と自分の違いが理解できない。
違う人間であると認めることができない。ただ、お腹を痛めて生んだというだけで、自他の区別がつかない。
つけたくない。身勝手な理由で。
娘なら母親の気持ちも分かるはず、とあなたに勝手な期待をし、思い通りにならなければ勝手に裏切られたと騒ぎ立てる、それがあなたの母親がしてきたこと。
あなたの母親はそのことに気付かぬまま歳を重ね続けている。そしてもう少しでこの世を去る。何一つあなたの思いを汲み取ることなく。
祖母もまた何も気づかぬままこの世を去った。色濃い負の遺伝子を残したまま。
あなたの母親の兄弟が、その後どんな運命をたどったか、同じくその人たちの子供がどんな人間になったか。
彼らの中の、いったい何人が気づいている?
彼らは互いを非難しあってるだけ。
憎み合ってるだけ。
でもあなたは気づいてる。
終わらせられるということだよ。
そうね、そうなんだけど。
心と体が重だるくて。
頭でわかってはいても、
感情と体が言うことを聞かないんだ。
大丈夫。そのために私がここにいる。
あなたの心と体を軽くするために。
大丈夫。必ずここから脱出できる。
前へ進もうとしなくていい。
そんなことをしなくてもあなたはちゃんと前へ進んでる。
今はそう思えなくても。
体の病気も長年の持病が
ある日突然、治って
健康者と変わらず動けるようになるわけじゃない。
回復は少しずつ。
心も同じ。
ちゃんと回復に向かってるのだから。
見えない分だけ、自覚しづらくても、
ゆっくりゆっくり少しずつ。
薬に頼ったこともあるけど、いまは飲まずに頑張ってきたよね?
あなたは強いから、本当に必要なものがなんなのかちゃんと分かってる。
わからないよ。分からないから今もキッチンの片隅でうずくまって孤独に耐えてる。
いいえ、ちゃんと分かってる。
必要なのは休息と慰め。
だから私を見つけた。
そうして私に語りかけ始めた。
感情の暴走を許したとて、あなたはそんなことをしても何の意味もないと気づいた。
結果、無気力になったかのように感じているけれど、そうじゃない。
感情の波を鎮めて、純粋な心を取り戻そうとしているだけ。
そうして取り戻した。
落ち込むのは過去の幻影がよぎった時。
そこには実体も意味もない。
記憶は役には立たない。
過去に引き戻される必要はない。
叶えられなかった夢、阻まれた夢、手にできなかった幸せ。
何もかもがこぼれ落ちていった。
たくさんあるけど、もう振り返らなくていい。
今の平和を知ってね。
ひとりでいるときの、誰からも罵倒されず殴られず傷つけられない、当たり前の平和を。
生きるのに大切なことって実はとてつもなく日常的で平凡で当たり前のことだよ。
私と一緒に生きていこう。
私を知ったあなたは強い。
誰かの支えが無くても、
私といればあなたは大丈夫。
誰かによる支えのモロさは知っているよね?
その人自身の都合が合わなくなれば、
支えは簡単に失われる。
生別死別問わず、その人がその人自身の都合で消えてしまえばあなたは立てなくなってしまう。
そんなことも経験してきた。
自分で自分を支えるために
私はあなたと一緒に居続ける。
決して消えたりはしない。
これ以上たしかな支えはないよ。
私の存在に気づいたあなたは
とてもとても強い。
例え弱くなったときでも、力を取り戻せる。必ず。時間がかかったとしても。
そんな自分を信じてね。
私を信じて。
いつか来る最後の日まで
私はあなたの手を決して放さない。
そしてそれができるのは、あなたの中の私だけ。
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