永遠に愛しているよ。私の初恋の人。もう二度と会うことはないだろう彼女は、私の思い出の中で美化され、永遠に、私に愛されるのだ。
例えるなら、私のそれは蕾だった。
咲くことを知らぬ花。
己の感情にすら気付かぬ、愚かな蕾。
それが私だった。
咲いたのは、卒業から6年の月日が流れた頃。
唐突に、夢に見た。彼女の姿。
そして理解した。私はあの娘を好いていた。
友達だった。クラスが変わっても共に帰っていた。
前から2番目の背丈だった私と、後ろから何番目の彼女。
ことある事に、私は彼女に後ろから抱きついていた。暖かく、大きな背中が心地よかった。
同性愛。
その言葉を知っていた。意味も理解していた。
それなのに私は、私という人間は、当事者意識の欠片も持ってはいなかった。
それがあれば。
そうしたら、何か変わっていたのだろうか。
彼女に好きだと伝えていれば、今頃、私は、彼女と結ばれていたのだろうか。
自分が受験に落ちたせいで母親が泣いたと言った彼女は、同性である私と付き合ってくれただろうか。
彼女とは成人式でも会えなかった。
だからもう、二度と会うことはないのだろう。
私の中で彼女は美化され続ける。そして永遠に私に愛されるのだ。
誰でも無料でお返事をすることが出来ます。
お返事がもらえると小瓶主さんはすごくうれしいと思います
▶ お返事の注意事項