軍に入隊して三年の月日が経った。
いつも同じことの繰り返し。来る日も来る日も訓練だった。
稀に戦いに駆り出されることもあった。
訓練を積み重ねると俺は着々と強くなっていった。
目を隠し、視界が悪くても一般兵に勝てるようになった。
だけど、彼奴等には及ばなかった。
攻撃を仕掛けても返り討ちにされ、怪我人の治療もできない、情報だって正しく伝えられない。
いくら訓練しても彼奴等には敵わなかった。
訓練をしても強くなれない、やる意味がない。
次第にそう思うようになった。
けれど、軍は辞めなかった。
今辞めたら、あの時みたいに大事な人を失う気がした。
訓練後は軍で飼育している馬たちの世話をしに行く。
本当は当番制で世話をするのだがサボる奴がいるから訓練が終わって日が沈む頃に動物の世話をしに行く、というのが普段の日課になった。
だからといって面倒くさいとは思わない。
生命がある存在は好きだ。
だけど、俺はその生命を殺している。
軍に入ったのだからしょうがない、と思うけど。
殺した生命の分、俺の重りとなって積み重なった。