君に言われた言葉がずっと心に突き刺さっているんだ。秘密主義で人付き合いの苦手な私の悩み、聞いてくれませんか。

あの時君に言われた言葉。

『リリィってさ、本当は一人が好きなんでしょ？』

『なんかさ、リリィってうわべだけだよね。本気で仲良くなりたい訳じゃないのが伝わってくるわ。』

あの日あの時からずっと心の中でその言葉が繰り返されている。

いつどんな話の流れでそんなこと言われたのかも覚えてない。

あの時私は『そんなことないよ』ってヘラヘラと笑ったけれど、それから全く違うどうでもいい話にうつったあともその言葉が心をかきみだした。

別れたあとの帰り道。一人で泣いていた。




君は素直だ。心に思ったことをすぐ口に出すタイプ。それが気を使わなくていい相手なら尚更だ。

自分でもそう言っていたね。思ったことをハッキリ言ってくれる人の方が好きだと。自分もそうなりたいと。そういう人と一緒にいる方が楽しいと。


だから君は秘密主義な人が好きじゃない。人見知りで、誰かに自分を知られるのが怖くて、おどおどしてる私なんて……嫌いなんだよね？




いや君に限ったことじゃないんだ。

誰も、自分を隠したがる人なんかと、仲良くなるだなんてできないんだよね。

だって知ることが出来ないんだから。相手のことを知ってこそ、初めて友達になれるんだから。



もっと仲良くなりたい。一緒に遊びたい。

そんな気持ちを表現するのが苦手な私は、無意識のうちに人と自分との間に壁を作ってしまう。

その壁は、作った私自身には見えないのに、相手にだけ見えてしまう、感じ取られてしまう。

友達がいない。いても長続きしない。
ずっとずっとそうだった。



それは私自身が悪いんだって。

でもどうしたらいいのか。どうやったら変われるのか、なんて。わからない。



相手を知るのも、知られるのも。怖いんだ。

色んな人の黒い部分ばかり見続けたから。
それを見つけるたびに自分の黒さも知ったから。



10年以上かけて、純粋な心から、ドス黒くて醜い心に変えた。今更、綺麗な心に変わることなんて出来るのだろうか。




君はいじめをする人を許せないという正義感の持ち主だった。困っている人がいればすぐ助けてあげる。男女も陽キャも陰キャも関係なく誰とでもすぐ仲良くなる。

明るくて愉快な、私と正反対の人。

それでも、私は君のこと、本当に仲良くなりたいって思ってた。君とお話しするのは楽しかった。

あの言葉を言われたあとも、その前と変わらずに君と一緒にいた。

このまま大学行っても、その先でも、友達でいられたらいいなって思ってた。最近までは。



受験のストレスのせいか、君は私にあたるようになった。話す時の言い方がもっときつくなった。
何をしても効率の悪い私に『見ているだけでイラッとするから気をつけた方がいいよ』とか、誰かに酷いこと言われたわと愚痴れば『その人の気持ち分かるわ』とか言った。

話すことも少なくなって、しまいにお互い無視するようになった。隣の席になっても、帰り道が一緒でも。…私は本当に独りぼっちになった。



結局、私はどこへ行ってもこうなのか。

高校ではイジメはなくなって、君みたいな話し相手もできて、嬉しかった。

でもまた結局自分のせいで私の周りに誰もいなくなった。せっかくできた友達も無意識のうちに気を悪くさせてしまい、みんな手放してしまった。

今までできた友達も、関係がなくなったのはクラスが変わったからだと自分に言い聞かせてきたが、本当は自分が全部悪いんだって気がついていた。




独りになってその現実を嫌なほど思い知らされた。

今は受験生だから、そんなこと考えなくていい。親にも先生にも言われた。どうせ、高校を出たら、今の関係なんて消えるんだから。


でも思うんだ。
小学校でも中学校でも高校でも失敗してきた私に、これからの人生良くなることなんてあるんだろうか。私は変われるんだろうか。

ずっとこのまま独りなんだろうか。