名のない図書館へようこそお越しくださいました
本日から新しく入った物語がございます
もし、お時間がよろしければ覗いて行ってください
生きるため
私はある手紙を見つけた
引っ越しのため、部屋の物を整理している時だった
『これ、誰からもらったっけ』
その手紙に見覚えのない私は
思わずそんな言葉を声に出してしまった
少し不思議に思った私は
部屋の片付けよりも面白そうなその手紙を読むことにした
丁寧に薄い紫色の柄のない封筒に入れられて
何だかおしゃれなよくわからない花のシールを貼っていた
破かないようにそっと花のシールを外し
中から手紙を出してみた
未来の誰かへから始まる文章は
より私の興味をひいた
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未来の誰かへ
これはいったい誰が読んでいますか?
未来ではどんな楽しいことがありますか?
未来への手紙を残すなんて
僕らしくないけど
何だか、書きたくなったので書いています
今僕は中学3年の受験生です
受験勉強はつまらなく、
すぐ違う何かをしてしまいます
勉強できないくせに
何で集中しないのかは分かりません
受験、受かったら祝って欲しいです
もしかしたら、
祝われる前に死んでるかもですけど
僕は今、幸せです
未来でも幸せに生きれるでしょうか
不安なことも多い中
頑張って生きています
もちろん楽しいこともありますけどね
なぜ、あなたはこれを読んでいますか
これを読んでいるのはきっと
僕自身じゃないでしょう
僕は、物の管理が下手ですから
いったいどこで
これを見つけたにでしょうか
そう言えば、僕最近
絵を描くのにハマっています
絵画とかじゃなく
イラストの分類に入るような絵です
受験勉強ほったらかしで
絵を描いてます
オリジナルキャラクターや
有名なあのアニメのキャラ
いろいろ描いてます
もしかしたら、僕がよく描く
アニメのキャラクターは
未来では古いとされてるかもですけど
僕は、これからちゃんと生きれるでしょうか
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これを誰が書いたかなんてわからなかった
なぜ私の部屋にあったのかもわからない
ただ、私が書いたのではないことは明確だ
だって私、中1だから
最後の
『これからちゃんと生きれるでしょうか』
という分で私は現実に戻された感覚がした
中1なんて、影響されやすい時期
私自身わかってる
手首についた傷が良くないことだって
何だか、この手紙に僕は
もうこの世にいない感じがした
実際どうなのかは調べようがないけど
ただ、私は何かの影響を受けて
自分自身を苦しめるのはやめたいと思ってしまった
ただこれも、この手紙の影響なのだが
そんなことはどうでもいい
パチンッ
頬を両手で叩いて
また同じように荷物の整理に戻った
ただ、私の頭の片隅には"手紙"という名の
先ほどとは違う何かが置かれていた
お帰りなさいませ
お楽しみいただけたでしょうか
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