私は嫉妬深くて何に対しても依存しやすい､言うなれば落ちぶれた存在だ。そんな私が高校生になり友達なんて諦めていたが周りがいい人ばかりだったお陰で予想外に仲良くなれた。全員とだいたい気があっていたけど特に合う子がいて、部活も一緒だということでそれなりに一緒にいる。明るくて面白くて時々間の抜けたようなことを言うけど頭がよくて運動もできるし相手への気遣いを自分をそっちのけにして考える優しくてすごい子。そんなあの子に目を奪われ心を奪われなんやかんやと自分の恋心を自覚した。
すごい自分勝手なことなんだけどあの子と親友が一緒に仲良くいるのが気に食わない。今の体育の授業はソフトボールで組分けをしたらなぜだかあの子と違うチームに必ずなる。まだ3、4回位しかしてないがもともと何にしても班分けの時はだいたい別れる。二つに分けるときはだいたい親友もあの子と一緒になる。二分の一なんてそんなもので友達が同じチームにいるだけ幾分もましだ。だがだからと言ってそれを羨まない訳もないし特にソフトボールだと何を言っているか分からないのに視界はよく通っていてずっとどうにもなら無いことを苦心している。
移動教室の時は毎回自分の立ち位置に困る。友達のなかでいつも最後に出る親友を待つとあの子も親友を待つため結果奇数になり､廊下を目一杯使うわけにもいかないため二人と一人になる。一人の方が圧倒的に辛いのは明確なため自分がその場にいたらいつも一人になるようにする。が、今日のあの子は何やら気にすることが多かったらしくいつもと位置関係が違うと言って自分から一人の方に行った。私としては自分より仲良くしたい人間がいるならそっち行ってしまえば良いのにと思わざるを得ない。ここに来はじめてぐらいから私は友達がいる上での一人を経験し慣れてしまった。だからあの子と親友に関しても達観が多くなってきている。もういっそどん底まで突き落としてほしい、友達として縁を切って人間として認めず視野にいれないでほしい。一人に慣れても嫉妬はいつまでも付きまとうから側にいるだけの私を虫が来たみたいに追い払ってほしい。そう考えるくらい二人の側にいるのが辛い。この感情は顔を見知った人には絶対に言えないし、絶対に知られたくない。最近はこれが邪魔してろくに一緒に居たがらないし、いてもあまり喋っていない扱いに困る嫌なやつになっていることを自覚している。あの子からだけにうまく嫌われてとか考えてみるけどそれはそれで胸が苦しい。でももう純粋に仲良くはなれない気がすることを自覚して親友との関係に確かに嫉妬して勝手に疲弊する。思い切り泣いて喚いて暫く考え事を全部やめて眠りたい。あの子が一番気に入る特別な人間が私であることを望んで現実は親友がそれであることを何回も再確認して辛くなる。
体育館に全学年集合した壮行会は初めてのことで入場してから並び順が2列自由とのことを知りあの子と隣になれるかもしれないことに胸を踊らせたのもつかの間、やはりどこまで行っても事情が重なり起こる奇数の仲良し五人グループでもう既に一組出来上がっていたため残るは私と親友とあの子。あの子は近くにいた私とそのまま座ろうとしていたが人混みに揉まれなんとかやってきたであろう親友にあとから来たんだからと言って譲り私はそのまま後ろに座った。最近気付いたがあの子も親友も意外と間を縫っては話すし結構ごちゃごちゃと前に立った人の話中でもするから隣同士になると見た目からやかましい。今でこそ嫉妬とイラつきが収まっているからそこまでぐだぐだ書いていないがその時は二人に軽蔑というか嫌悪というかよく分からない感情を向けていたと思う。
頭痛と吐き気が薄く混在した体で無駄に体を動かす。
ソフトボールの試合は安打も多くて勝ったしテストは欠点もない上多分平均点よりはあるはずだし部活はそこそこにうまくやってるはずで人間関係に特別大きな亀裂も日常の疲れによる消滅も特に無いはずだ。なのにどうしてこんなに全部支えきれずに倒してしまうのだろう。別に特別大きな仕事をしたわけでもないのに疲れた。
あの子が最近よく頭の後頭部を掻いている。これは初めてじゃなくて私は何度か見たことがある。泣く寸前の時、自分がミスした時、自分の努力が挫折した時、どうすればいいか指標がない時。多分今部活のことで色々と煮詰まっているのが起因しているのだろうと思う。お願いだから無理しないでほしい。それくらい。
