美しいとただ眺めていた
その山を登り 初めて 気付く
その山嶺はずっと遠く、ずっと過酷なこと。
進めど進めど先は見えず
見ていた夢が "夢"だと思い知る
積もるのは劣等感ばかり
自分には何も無い ただ、何も無い
縋った夢は、絆されたその夢は、
他者から託された、空っぽの夢。
承認欲求の為だけに抱いた、実に浅ましい夢。
それは、ただの趣味。
何も生まない慈善事業。
皆が 大きなリュックに "就職" という理由を詰め込み
強く確かな一歩を進む
その後ろで 私は空のリュックを背負い
夢と現実との乖離に悶えながら
酷く重たそうな素振りだけは一丁前に歩いている
あぁ、なんと愚かな。
それでも。
光に少しでも近付きたいと願う、愚かな羽虫。
それが私なのだ。