ずっと、耳に残ることがある。
それは、小学五年生の秋、俺の誕生日のこと。
他のグループが発表会の撮影しているとき、俺含めた他のクラスメートは、撮影場所の隣の教室にいた。
狭い教室ゆえ、男子の話し声や他の女子の笑い声も聞こえる。もちろん俺も、そんな人々の一員である。
友達と話を挟みながら、漢字ドリルを取り組んでいた、そのとき。
「韓国人眼鏡」
男子が唐突に、俺の方を向き、そう囃し立て、揶揄った。
俺は韓国人のことも、眼鏡のことも否定的に捉えたことはない。それを、揶揄われた。
そのことは、もう当時の恨みも殆ど色褪せた今でさえ、耳に色濃く残っている。
俺は一生これを抱えていくのだろうか?