ああ なんて最悪な人生なんだ。思えば、出自のせいで損な目にばかりあった。そういった損も誰かの為になろうと思っていたし、自分の能力の証明になる、と満足していた節もあった。だが違った様だ。誰も俺に感謝なんかしない。誰も俺の働きなんぞ評価しない。そんなこと知った事ではないのだ。要するに世の中は俺に興味がない。もう疲れた。気力も尽きた。もう動けない。俺の努力は須く無意味だ。箸にも棒にもかからない。どうせ最後に無関心が舌を突き出し俺の善意も汗も涙も全て裏切られるのだ。ああもう嫌だ。嫌だ、何故俺が蔑まれた様な心地にならなければいけないんだ。心は絶望で満ちている。