朝、今日も一日がんばれるかな。
リビングに行く前に、鏡の前に行って、笑顔と私の仮面をつける。
私の仮面は、絶対にバレない。
だって、生まれたときから仮面をつけているし、感情をぶちまけたこともないし、幸せの仮面をつけてれば、みんなそれでいいと思ってくれる。
私の笑顔は、ニセモノだなんて誰も思うはずがない。
笑顔は、口角を上げて、仕草を楽しそうにしておけばいい。
目が笑っていなくても、みんな気づかないし。
誰一人気づかない。
私は、ニコニコ笑って、幸せそうにしていればいい。
家族の中には、そういう人間が必要だから。
必要がないのなら、もうすぐに消えることだってできる。
ずっとポジティブ思考で、るんるんの子。
明るいいい子。
泣かない。
悪口を言わない。
みんなに平等で優しく。
みんなを元気にしてあげられるような。
それが必要とされる、いい子。
必要とされるなら、それでいい。
本音を出せなくても。
必要じゃないなら、生きなくていい。
子供なんて、仕事をしないくせに一丁前に飯を食う。
ただでさえ邪魔なんだから、せめて仕事をしなくても。
必要とされるいい子。
「
」
全部からっぽにする。
仮面をつけ、笑顔も貼り付けて、私は、必要な子として、家族のみんなにふるまう。