幼稚園の頃、盗みをしてしまったことがある。
ビーズの詰め放題だった。
小さな子供の手のひらほどの小さな袋に、好きなだけビーズを詰めれるという催しだった。
私はそれが欲しくてぐずった。それでも買って貰えずに、親の見てない隙をついてポケットにビーズを入れた。
その後、家に帰り、親に知られた。自責の念で自分で言い出したのか、バレたのかはもう覚えていない。
父に、とても怒られたということだけ覚えている。
どう怒られたのかは覚えていない。暴力を振るわれたような気も、しなくもない。本当に覚えていない。
父に怒られた記憶はこれと、もう1つだけだ。もう1つの方は蹴られたのは覚えているが、肝心の何をして怒られたのかは覚えていない。友人の前で蹴られたもんで、しばらく話のタネになっていた。
怒らない人だったのか、接点がないから怒られてないのか、怒られていたのに覚えていないのか。分からない。訊こうとも思わない。
しかし、未だ手元に残る20年前のビーズを見ると、怒られた記憶が蘇るのだ。
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アユム
怒られてよかったねぇ~
おかげで二度と
「盗み」はできなくなっただろう?
もし、怒られなかったら……
キミの中での「盗み」に対する罪悪感は
今ほどじゃないだろう。
仮に、どうして「盗み」をしたらいけないか
当時に説明されたとする。
まず、何でも買えるほど
「この世界」は甘くないよ
そして、「盗み」をするということは
他人の生活を「奪う」ことだよ……と。
当時のキミは理解はするだろう。
でも、それと同時に
「それでも、あんなに大量にあるのなら
少しぐらい、いいじゃん」とか
「そもそも、お父さん
お金持ってるじゃん。
大事な私のために買ってくれないのが
悪いよね。」とか思ってたと思うよ。
最近
「怒る」が「悪」という「流れ」があるけど
ボクはそれが絶対だとは思えない。
たまには「怒る」ことも大事だと思う。
「怒る」には「熱量」がある。
理屈以上の「伝わるもの」がある。
だから
それを受けたキミはよかったんだよ。
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