観光地や伝統的な街、巨大な都市など、沢山の場所に行きたいと思う。でもお金や時間が限られてるから、一度には行けない。
仕方なく、次の休みに行こう、と決める。
ここで、私はちょっと悩ましい事態になるのです。
私は岩手に生まれ育ち、小さい頃からリアス式の穏やかな海と、そこにある町を見てきました。
しかし、去年の震災で、それらの多くが原形をとどめないほどに破壊されてしまいました。
悲しかったです。
それに、私は岩手沿岸を走る南・北リアス線という鉄道を端から端まで乗る、という野望(?)を抱えていました。でも、それは当分叶わぬ願いとなってしまいました。あるいはバス路線(BRT)に変更されて、二度と叶わぬことになってしまうかも知れません。
行きたいところに行く予定を少し先にのばすと、その間にそこがなくなってしまわないか、不安に思うようになってしまったんです。仕方ないとは思うんですが、どうしても不安がなくならないので、ここに吐き出してしまいました。ちょっと辛いです。
お気持ちは充分お察しします。
私も少なからず似た感覚はあります。
震災があった月にカウンセラーさんにこう言われました。
「地震や原発の件にしろ、私達はそういう日本に居たんです。知っていようがいまいがそれは事実だったんです」
って。
私達の日常は変化する。一時も同じではないという真実を震災で目の当たりにしました。
変わらないでという願いもわかります。
でも変わるのだという立場からこの世界を眺めていたら変化は当然だし、行きたい場所に行けることの幸せをより感じられる気がするのです。
行きたいその場に立った時、来られて当たり前って思うよりずっと幸せ感が違う気がする。
今は自分が行きたいところに行けなくても思い描く幸せもあるし、行けたら行けたで本当にそれは素敵なことだと思うんですよ。