お星さまが落ちてきた。
小さな小さなでもとっても綺麗なお星さま。
僕はお星さまとお話した。
「なんで落っこちてきたの」
「僕はでき損ないだからさ。」
お星さまは自分をでき損ないと言った。
「他の星みたいに宇宙に上手に浮かぶことができないの」
「…なんか僕と似てる、」
「違い者同士…ってこと?」
僕らはクスクス笑いあった。
落っこちちゃあ、ダメなのかな?
他の人とはちょっと違う僕ら。
同じ空を見てるのに。なんでこんなにも違うのだろう。
いや、どうして『違う』というのは『いけない』ことなんだろう。
同じ空だけど、違って見えるのかな?
僕が見ている景色はみんなが見ている景色とおんなじかな?
僕らは黙って夜空を見ていた。
ぐるぐる、ぐるぐる考えていた。
キラキラと光っている星は、今日はなんだか羨ましく思える。
お星さまは言った。
「多数派と少数派ってことじゃない?」
でも、多数派の中にも息苦しい思いをしている人だっているんじゃないか?
「難しいね」
そうとしか言えなかった。
「お星さまってさ、ずっとここにいるの?」
すると、
「戻ろうとすれば、戻れるよ」
「でも、戻ろうかやめようか迷ってる」
やめるってどういうこと?……聞こうとしてやめた。
「ふーん」って言った。
お星さまは言った。
「にんげんって沢山いるよね。すごく生きづらそう。」
「たしかに、生きづらいよ。でも優しい人だって沢山いる。」
「宇宙から見てるから分からないんだよ。僕が沢山教えてあげる。」
悩みを聞いて、共感してくれて暗い今日から明日へと導いてくれる人たちがいる。
違ってもいいさ。
違い者は違い者として堂々と生きてやる。
だからお星さまはあっちから見守っていて。
「やっぱ僕、宇宙に帰る」
「そっか。バイバイ」
いつかまた、会おうね。