「幽体離脱」
笑いの輪の中で
「友達」同士の輪の中で
ふと、外側から見てみた
笑ってる笑ってる
みんな楽しそうに
でも
偽ってる偽ってる
みんな心の底で
つま先がみんなこっちを向いてない
目線がみんな右上を向いてる
両手がみんな明るみに出てない
瞳の奥の奥、
みんなが写していたのは
「自分」だけだった
聞こえちゃったの
本当に本当に楽しそうに
私を罵る声が
見えちゃったの
ほんの一瞬の間に見せた
嫌悪の瞳が
ふと気付いたよ
全部気付いたよ
既に気付いてたよ
これは違うって
私は違うって
私は、
パズルのピースではなかったから
ジェンガの一部ではなかったから
そっと抜けてみた
変わらないな、何ひとつ
あぁ、嫌だな
「友情」の状態変化
だんだん気体になってゆく
私だけ気体になってゆく
「友達」の飽和状態
いくら頑張っても結晶になる
新入りより先に結晶になる
逝きつく先は硝子
紙とペンとスマホと、
それから硝子
部屋の中で静かに消えた
あぁ、透明は “ 混じらない ” から美しいんだ。
かくして硝子になりし14の夏に。