朝目が覚めたら急に何かが変わってることはない。それはそう。
何かが好転することは絶対にない。ぼくの病気が治ることも、突然ぼくがぼくじゃなくなることも。
でもあの人にとって「ある日突然」を起こせることがぼくにもある。毎日貯めてる薬が、あとちょっと。再来月の分で足りるから、再来月、年末には間に合う。
どうしても我慢ができなくなったら買うものも決めた。そっちの場合は場所だけ困ってるけど。
ある日ふいにぼくがいなくなったら、あの人は分かってくれるだろうか。ぼくはずっと限界だったんだって。あの日ぼくの背中をあなたが押して、ぼくはずっと落っこちている最中だったんだって。
変な話で、死ぬって決めたのに、誰かに話を聞いてほしい。生きたいわけじゃないけど、救われたいなんて、おこがましい話だ。
その意味で、このSNSはとてもいい。誰かに届く可能性はあるけれど、それはずっと先のことだ。それに、きっと誰の目に止まることもない。そして、おそらくその頃ぼくはいない。
誰かに止められることはない。怒られることも煽られることもなく、ただ、ぼくの空疎な言葉を聞き流してくれる。せめて運営の人が一瞥をくれるという、そんな微かな期待だけがある。ぼくの感情が誰かに届く。ぼくの責任を手放した状態で。