水辺ってのはなぜか心惹かれる。
水辺に対して、あの場所に帰りたいなあ、という渇望がくっついてくる時があって、ちょうど今日その時だった。
という訳で、日の入り前の、水面が西日を跳ね返す時間に足を運んだ。広がる内海を見て、なにするでもなく、ただ無為に時間を過ごすだけなのに、謎の充足感で満たされた。精神的な垢が落とされたかのような清々しさに、整うとはこういう状態を指すのかと思ったと同時に、別に家でもないのに、ただいまという言葉まで出てきた。
もしかしたら、水辺に感じている魅力というものは、帰巣本能なのかもしれない。安らぎや心の涼を得る場所へ向かうというのは、帰宅の時の心境のそのものだし。人間ってのはホントに水性生物だったのかもしれない。アーキタイプのグレートマザーに海が入ってるのを実感した日だった。