8割がた嘘ですからね、親の言う「あなたのため」って。
本当は、それを言っている「自分のため」です。
親が自分の都合で子供をこねくり回し、自分の安心のために型にはめ、周囲から良い親と賞賛を浴び、世間に認められるため。
それはそれで、必ずしも間違ってはいません。人間は大抵の場合、自分を取り巻く社会に順応した方が生きやすいですから。
そもそも子供を作ること自体、自分の幸せと社会貢献のため、とごく自然に考えている人が圧倒的多数派です。
でも、自分のために子供を利用しているなんて、認めたい親はそうそういません。
「子供のためを思って」教え導いている自分の姿の方が、よっぽど自分にとって受け入れやすいです。
そこで起こる嘘、逆転現象、トリック、子供への責任転嫁が、心理的圧迫となって子供を苦しめるのです。
「あなたのため」≒「お前のせいだ」(お前が言わせている、お前のためにしてやっている、ありがたく思え、等々)状態です。
耳に聞こえる言葉は「あなたのため」でも、裏側に「お前のせいだ」に等しい圧迫が貼り付いていたら、言われる方は苦しくなるに決まっています。
これはモラハラの構図でもよくあります。
親子関係が良好で、そもそも親がめったに「あなたのため」を口にせず、「あなたがいてくれて嬉しい」をふんだんに与えてくれてていれば、子供側の苦しみはずいぶん軽くなるでしょうに。
あなたがそんなにも疲れてしまっているなら、親子間の欺瞞は相当根深いと自覚し、全ての「あなたのため」を受け取るのではなく、せいぜい2割程度しか自分のためにはならないと割り切った方が楽になれるかもしれません。