14年間に渡り片想いを許してくれてありがとう。
俺が学校を卒業しても地元就職に難航する一方、君は初志貫徹し速やかにこれを成し遂げ、俺は君に追い付くべく半周遅れのランナーのような気持ちで君の背中を追い続けてきた。そして、ようやく地元就職を果たした俺は、今一度君に交際を申し込むつもりでいた。
しかし、お別れだ。俺は、やはり、地元就職するべきではなかったのだ。仕事は、パワハラに遂に勝ち得ず、辞めさせられることになった。
出会ってからの14年が走馬灯のように瞼の裏に蘇る。卒業研究に同行してきたこと。お茶の水で待ち合わせて秋葉原で飲んだこと。湖畔のコンサートを聴きに行ったこと。水族館でウミヘビを怖がっていたこと。
俺はこの仕事とこの街において負け組だから、ひっそりとこの街を離れることにする。俺のことは、忘れてほしいし、はじめからいなかったことにしてほしい。
苦しいことが多かったけど、俺の人生は、君に出会えて幸せだった。ただ心から、ありがとう。