私の友達もバイト先の人も、もうワクチン打ち終わってる。だけど私は、母親に止められていて、まだ打ててない。もう大人なのに、なんだか恥ずかしくて。
母親は昔から極度の心配性で、私も母親の言う通りに従っていたから、周りと少しズレていることが結構あって。例えば、「人工甘味料や着色料が入っているもの、外国産のお菓子はあまり食べないで」とか、「スプレー系のスタイリング剤は火器が怖いからやめて」とか。だから、駄菓子屋のお菓子だって成分表を見て買っていたりする自分は珍しい子供だったんだろうなとか、学校で友達がスプレータイプの日焼け止めを当たり前のように使っていて羨ましかったなとか、そんな人生だった。心配してくれるのは嬉しいんだけどさ。
まあそれはいいとして。今回も、「国産のワクチンが出るまで待ちたい」とか、「まだ安全性がわからないから」とか、そんなようなことを言って、あまり私には打たせたくないようで。
気持ちはわかる。けれど、私だってもう20歳なんだし、「もうワクチン打ったの？」って聞かれる度に「親が打たせてくれなくて」って言うの恥ずかしいよ。
私の周りの人は幸運にも、優しくて理解がある人ばかりで、私の事情をわかってくれて、本当にありがたいなと思う。
だけど、やっぱりさ、こんなに気持ちが落ち込むくらいなら打っちゃいたいよ。お母さんは打たなくていいけれど、私が打つかどうかは私の自由だよ。
って、母親に言えたら。言えたら、どんなに良いだろう。だって、昔から反対意見は言えなかったし、言おうとも思わなかった。親への逆らい方なんて知らない。反抗期なんて来てない。私が反抗したら、親はどんな顔するんだろうって、想像するだけで怖くて。どうしたら母親は納得してくれるんだろう。声を荒らげる勇気もないし、じゃあ、泣きながら熱弁して説得する？そんなの意味わかんないし、そんなことしてる自分が気持ち悪くて、できない。そもそもなんで私がそんなこと、しなくちゃいけないんだよ。
もう、勝手にワクチン打っちゃおうかなって思ったけれど、後から面倒くさくなるのはわかっているし。父親はそもそもあんま好きじゃないだから相談できないし、てかあの人土日になると朝から黙ってどっか出かけて行くけど何してんのかな。どうでもいいけどさ。家も家で自分の部屋以外、居心地良くはないしな。家の人間がどんどん嫌いになっていく。あぁ、私はこの血を継いで生まれちゃったんだって、余計なことまで芋づる式で頭に浮かんでくる。
お疲れさまです。
小瓶主様はもう自分で自分の生き方を決められる立派な成人ですから、お母様のコントロール下にそのまま居続けるのは、無理があると思います。
おっしゃるとおり「面倒くさくなる」でしょうけど、ご自身の責任において意思を主張されるのがいいのではないでしょうか。
きっと、これから先の人生でも、こういった齟齬は生じてきます。
今でなくても、いずれ直面せざるを得ない問題であるはずです。
お母様と小瓶主様は、違う人間ですから。
あなたは、あなた。わたしは、わたし。
異なる意見を持っていても、愛すべき最も近しい隣人として生きていくことはできます。
大人になるって、そういうことじゃないでしょうか。
小瓶主様は思いやりのある周囲の方々に恵まれて、お母様にも（多少極端なやり方ではあったのかもしれませんが）大事に育てられてきたのでしょうから、あとはしっかり自分を持って、自信をもって、一段、階段を上がってくださるといいなと思います。
もしも私が母ならば、いきなり反発を受けたらビックリするだろうけど、「うわ～自分の意見を貫こうとするなんて、大人になったな～！」って、成長ぶりに嬉しくなるかも。
うまくいきますよう、願っています。
