LGBTQIAの「A」について。他人に対して性的または恋愛的な感情を持たないカテゴリーのようです。
私は自分のことを、大人になっても恋愛経験の一つもない出来損ないだと思って生きてきました。
それをコンプレックスだとも思っており、色々な人に相談したり、それこそ小瓶をたくさん流してご意見をいただいたりしてきました。
たいていの人は決まって「まだ若いんだから。いつか相手が現れるよ」という語尾を付け加えます。
手当たり次第に相談しまくっていた当時の私は、それを受け止めながらもその「いつか」はいつ来るのか、本当に来てくれるのか? と怯えていました。
きっと内心では、別に恋愛経験がなくても立派な大人として認められる、独り身で歳をとっても幸せになる人はなる、とそう言って欲しかったんだと思います。恋人がいないことで哀れまれたり、人を愛せない冷血なやつだと思われたり、そんなことが怖かったんだと思います。
本当は「恋愛をしたい」のではなくて、世間から変な人に思われたくないから、多数派の「パートナーがいる人」になりたかっただけなんだと思います。独りでいても恋愛的な淋しさを感じたことがありません。
男女ともに魅力的だと思う人はいます。芸能人、キャラクター、知人。どちらかと言うと女性の方が好きかもしれません。某ゲームのベヨネ◯タみたいなセクシーな人が好きです。
でも特にそれをどうこうしたいという感情は湧きません。(ポスターやフィギュア、動いているとこを見たいとは思うかな…?)
「誰もが経験あるはず! 付き合いたてカップルの初々しいあるある」と言った文言や友人らの、近況報告という名の仮面を被った色恋マウント合戦(「まだなの? かわいー」「刺激強いからそんな話聞かせちゃだめだよ」というオマケ付き)、SNSでの下ネタなどを見かけたり聞いたりするたびにショックを受けていました。
なぜならほとんどが"人類なら必ず通る道"のような姿で世に出ているので、それを経験できていない自分が行き遅れの出来損ないだと思っていたから。私にとっては「え!? 息吸ったことないの!?」と言われているようでした。
でもそもそも自分の中には「恋愛」というページがなかったのかもしれません。
人間というのは原因不明のものを恐れるもので、どうにかして名前を手に入れたがります。そんな私は「アロマンティック」という名札を手に入れて、少しだけ、世界に対する自分の足跡の重みが増したように感じました。
正直コンプレックスが消失したとは言えませんが、自分の存在が認められた気がして少し心が軽くなったように感じます。どこかがおかしいとか、人格に問題があるわけではないのだと、たった8文字の単語に教えてもらいました。
これからも自由にベ◯ネッタや他のセクシーなお姉さんのことを好きでいようと思います。(好きな方いらっしゃいます?)