わたしは逃げたんだ。
そして、今も、ずっと──
宿題というものが嫌いだった。
学校で頑張って、帰ってきて、尚も頑張ることが嫌だったのかもしれない。
だから逃げた。遊んだ。
『宿題をやらずに学校に行く自分』を
私は認められなかった。
そして、学校からも逃げた。
父は無口なタイプだし、
母は病気で。
私にしつこく構う人はいなかった。
楽だった。
生きてはいけた。
けれど生きるのは諦めた。
そう。これも、逃げたんだ。
小学校、中学校、高校、大学、就職。
普通に生きてれば歩むであろう人生を放棄した。
もう、どうでもよかった。
そのうち死ぬ。そう思ってた。
10歳かそこらの話。
どうしてか、今も生きている。
ずっと逃げているのに。
不思議だ。
私は運が良い。
流れるままに生き続けられる。
なんて幸せなことなんでしょう。
好きなことだけ、好きなようにして。
嫌いなことからは逃げて。
これでいいわけない。
だから、せめて、
この命を、誰かの為に使えたら。
今日も生きる。幸せを背負って。