友達から聞いた、そのまた友達の話。
――
その女の子はお酒が好きで、記憶がなくなるまで飲むのが常で、飲んで酔って目が覚めたら知らない人の家、なんてザラだった。
幸い、介抱してくれた見知らぬ他人の皆様はいい人ばかりだったらしく、事件事故に巻き込まれることはなかった。
が、ある日。
朝日がまぶしくて目が覚めたら、外にいた。
ああまた酔って寝ちゃったんだな、ここどこだ、と思いながら起き上がろうとしたが、重くて身体が持ち上がらない。
どうしよう、どうしようとパニックになってそのまま固まっていると、「アラどうしたのアナタ!」どこかからおばちゃんの叫び声がした。
「なんでそんなとこに寝てるの!? 倒れたの!?」
女の子は、生コンを枕に寝ていた。
――
「……えっ、で、その後、その埋まりかけた子どうしたの」
「そのおばちゃんが助けを呼んでくれて、ご近所さんにどうにか引っ張り起こしてもらって、そこの作業場みたいなところで頭に水流してもらって生コン落として帰ったらしいよ」
「そのままコンクリに固定されなくてよかったね……」
「ほんとにね……」