学生時代に付き合っていた女性が結婚することを知りました。
お互いが気づかない内に不意に恋人になり、そして誰に知られることもなく別れた。
恋人とも友人とも取れる距離がとても心地いい。
そういう恋愛でした。
結局あれ以来僕は誰にも恋をすることなく生きてしまいました。
内心ではずっとキミの影を追いかけてしまっているのかと恐々としていたけれど、
この知らせを聞いた時、僕の心の内に湧いたのは嫉妬や怒りでなく、
郷愁のような寂しさだけだったことが
ホッとしたような哀しいようなそんな不思議な気持ちです。
キミの竹を割ったような真っ直ぐさと、優しさを、
一人の人間としてずっと尊敬しています。
そんなキミが選んだ人ならば、なにも間違いは無いと、
正しいことなのだと心から思えます。
こんな気持ちを直接伝えると、
僕の気づくこともできない強がりがバレるのは怖いから、
この末にひっそりと流します。
どうか幸せに。