夜。
僕が大好きで、大嫌いな時間帯。
恵まれてて幸せなはずなのに死にたいと願ってしまう自分なんかを黙って世界に溶け込ませてくれる優しい時間。
視界を奪うほどの黒は目を向けたくないものを隠してくれる。
決して見つかりたくないものからも匿ってくれる。
深い海のように穏やかで、一日のうちでいちばん落ち着いていられる時間。
でもそうして空間に溶け込んでいると、感じてしまうのは孤独だ。
さっきは幸福を感じたはずの暗闇が今度は災いして、すべてから切り離された逃げ道のない場所と化してしまう。
勝手に涙が溢れてくるのは恐怖と怯えから。
一寸単位で切り刻まれているような苦痛とこの期に及んで眠れない惨めさ。
それでも時間がたてばその感覚も忘れられる。
また静けさと暗闇のなかで優しさにくるまることができる。
だから、僕は夜がいちばん嫌いで好きだ。
夜が来るのを憂鬱でいながらも待ち望んでいるのもそういう理由。
I hope you will have a nice dream.