最初に言っておきますが、この文章はいじめを仕方ないことだと片付けて良いと言っているわけではありません。
なぜいじめが起こってしまうのか。
人間で考えるから分からなくなるのでしょう。なので、一度、他の生き物で考えてみます。
例えば各辺が30cmの虫かごがあったとします。そこに違う場所から取ってきた50匹のカブトムシを入れます。そんな狭い場所で50匹が喧嘩をすることなく過ごすとはあまり考えられないでしょう。自分の場所を確保するため、他の者を排除しようとするのが普通だと思います。そして、気に入った異性を見つけると、自分の物にしようとします。
自然界では当たり前のことです。
このような場合、脳が小さく未発達なカブトムシは、力だけで勝負します。
しかし、人間はカブトムシとは比べものにならないくらいに発達した脳を持っています。そして、力だけでなく、言葉という手段を持っています。
ただ、発達しているとはいえ、小学生の未熟な脳で処理できることは限られています。気に入らない者を見つけた時、自分の場所を変えることなく、力ずくで自分の居場所を確保しようとします。この後どうなるかを考えることはできないのです。いじめはだめだよとだけ教えらても、いじめっ子の小学生は、いじめがどうダメなのか、その後何が起こるのか、いじめられた子がどのような思いをして、どうなってしまうのかまで考えることができません。言葉をどう使ったらいいのか理解できていません。
このようなことを誤解なく丁寧に教えることが幼稚園、小学校に与えられた義務だと思います。