愛しい人よ、たとえあなたが
美しい男だとしても
完璧な女だとしても
いつかきっと
前触れもなく裏切るのでしょう
私は冷めきって、空腹を引きずり
青黒い丘の中程で、焦げたような蛇と共倒れして
夕立に向かって怒り狂うの
私が“HEY、タクシー”って
ふざけたSOSを出すときに
停まってくれるのは、いつも霊柩車
ああ、でも気にしないで、愛しい人よ
こんなの、もういらない、くだらない
いかれた御伽噺だから
朝起きて最初に会うママの顔は、私を殺しそうね
カビの生えたトーストを叩きつけ
“早く食べな、いい子ちゃん、遅刻するよ!”
閉め忘れた窓から入り込んだ
ぼろ雑巾みたいな蝶々に、殺虫剤を振りかけながら
“腐った子がいるから虫が入ってきたわ!”
焦げたハムは誰かのヒステリーの味がする
私が“HEY、こっちよ”って
半端な情けを示すとき
手のひらに落ちるそれは、いつも死ぬ直前
ああ、でも気にしないで、愛しい人よ
こんなの、もういらない、くだらない
期限切れの思出話だから
ねえ、分かる?
裏切るのでしょうと言いながら
あなたの中に、神様を探してるって
もう殺されたくないの、死にたくないの
生きるのも怖いんだけれど
ああ、今のは半分だけ冗談よ、半分だけね
もし、理解できるのなら
醜くていい、不完全でいい
この手を離さないでいて
壊れた呼吸が落ち着くまで