小さい頃から小説を読むのが好きだった。
大人になればこの面白さが無くなってしまうんじゃないかといつも心配していた。
そんな事は無かった。
物語の中はいつもいつも綺麗で、本を開くだけでいつも冒険できたり仲間がいたりした。
でも、現実は色褪せていく一方。
本を開いている時だけ自分の人生があるような気がする。本を閉じれば待っているのは退屈な日常だけ。
自分がいつか死んだら、本の世界に行くんだと考えている。
より多くの本を読めばより多くの世界を旅できるって考えている。
まるで自分だけの宗教のよう。
馬鹿げていると分かっていても、頭のどこかではそうであって欲しいと願っている。