自分には自分を救ってくれた恩人がいる
親に怒鳴られ殴られて家から追い出されたあの夜
外は寒くて寒くてお腹も空いててどうしようもなく辛くてただ泣くしか出来なかったあの時
地元で有名な不良の先輩が声をかけてくれた
大人からの評価は最悪
とにかく煙たがられて嫌煙されてるような人だった
周りの同級生とかも関わりたくないというような人だった
でも自分からしたらヒーローみたいだった
家から出されてお金もなくてどうしようもなかった夜
誰もが見て見ぬふりをする中唯一どうした?って声をかけてくれた
周りがなんて言おうとも自分からしたらすごくかっこよくて優しくていつか自分もこの人みたいに人に優しくしてやれる人になりたいと思った
3つしか変わらないのにすごく大人に見えた
ご飯奢ってくれて話も聞いてくれて一緒に家まで言ってくれた
親に罵られる自分をみて親に言い返してくれた
この人が自分の人生の中で初めて自分を助けてくれた人だった
その人のようになりたくて自分はアホみたいにその人についてまわった
その人の背中を見ていられた
その人は自分が高校の夏、バイクの交通事故で亡くなってしまった
自分の唯一の味方で目標の人がいなくなった
いまはその人の年齢よりも3つ上になった
それでもあの人には届かない
あの人みたいになれない
あの人のような大人になりたかったのに
いつまで経っても追いつけない
自分は自分すらまともに守ってやれなくてまだ遠いよ
早く追いつきたいのに
歳だけ追い越して
それでもまだあの人を追いかけてる
自分が死ぬ時はあの人に胸張って報告出来る時
だからまだ死ねない
また会いたいななんて無理だけど願ってみたりもう一度大丈夫って言ってほしいと思ったり
早く会いたいです先輩