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虫と命のお話をば。なずな 蝶々などのお話ではありません。無理そうな方はご遠慮くださいな。

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虫と命のお話をば。なずな




蝶々などのお話ではありません。

無理そうな方はご遠慮くださいな。





厳重にスペース。

長くてごめんなさい。












ほんの十数年前。

わたしのあそびあい手はわらじむしだった。
じゃりのしかれたちゅう車じょうで、ブロックをひっくりかえしてはさがした。
人げんの友だちもちゃんといたのに、まい日のようにあそぶのは、その小さな生きものだった。
おかあさんやおばあちゃんはかおをしかめたけれど。


やがて、丸くなるわらじむしを知った。
つつくところん。
だんごむし。
わらじむしはわらわらにげようとするのに、この虫はさっさと身を守ってしまう。
このちがいが面白かった。


その代わり、子どもはきらいだった。
うるさくて、すぐ泣いて、けんかばかりするかれらにあきれていた。
小さくてしずかな世界が好きだった。
自分もそんな子どもだということには気付かなかった。


ある日、リビングを通る時に何かをふんでしまった。
それは兄のかっていたバッタ。
一しゅんで、鳥はだが立った。
せめられて、あやまったけれど、本当は私の心にもあとがのこった。
小さな世界の命を、うばった自分。


ふと気づけば、私は外で遊ばなくなっていた。
本を読み、工作をし、布と糸で小物を作り、かみの毛を自分で結ぶようになった。
自分を見るのが好きになった。


やがて虫は嫌うようになった。
むしろ犬や猫をかわいがった。
宙を飛ぶ羽虫にも驚くほど、以前の自分とはかけ離れていった。

その一方で、子供嫌いは薄れた。
子供が好き、と語る人を好きになって、私もそう思えるようになった。
自分以外に眼差しを向けられるようになっていった。


体が大人びてから、心が子供を嫌わなくなるまで、何年かかったのだろう。
虫を触れなくなってから、どれほど経ったのだろう。

私の場合は、虫と子供とは引き換えなのだろうか。
それでいいのだろうか。


いのち丸ごと愛せるような人はまずいないだろうけれど、それに近づけたらな。と。いまだ夢を見る。


なずな

名前のない小瓶
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たろ

ななしさん

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ななしさん

傷を思い出せるのは、小さな世界を大切にしていた自分を心のどこかで持ち続けているからだと私は思う。

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