アカメが、扉を叩いた。
もがくように、嫌だって。知りたくないって。
部屋の赤みが増したような気がした。
僕は扉の前で耳を塞いだ。
心の耳を目を塞いだ。
蒼空が扉を塞いでる。
何でもない。
大丈夫。そんなわけない。
自分を誤魔化して、僕は平気を装った。
治る、この人は治る。
大丈夫。
そう思っていても怖くて。
またいなくなると思うと怖くて怖くて。
嫌だって、やめてって叫びたくて。
でも、治るよなんて嘘。つけなかった。
話をそらすので精一杯。
もうこれ以上聞いていられなかった。
耐えられなかった。
「脚がね、動かなくなったの」
信じたくない。
そんなの聞きたくなかった。
なんであの人が。
なんで。
頑張っているあの人が。
トマト嫌いなのに、病気に聞くからって
頑張って食べて克服して。
頭痛くても頑張って僕の話を真剣に聞いてくれて
優しいあの人が、、
なんでまた、自由を奪われるの?
中々遠くに行けなくて、たまに倒れて。
そんな辛い体なのに、
まだなにか取るの!!
神様なんて、だいっきらいだ!!
医師もだいっきらい!!
お金の分しか働かない!!
わかってる!!
それがこの世界の普通だってことぐらいわかってるよ!!
だけどさぁ、おかしいじゃん。
頑張って生きてる、この世界のために頑張ってる、夢を持って頑張ってる人をなんで苦しめるの?
生きてる価値のない、人間を外れたゴミ共は社会の影に、頑張ってる人達に隠れて生きて、
生きる価値のある人をなんで殺そうとするの!
そんなの違う間違ってる。
努力した人を生かさず。
努力しなかった落ちた奴らを生かす。
これは間違ってるんじゃないの?
違うの??
僕はやっぱり間違ってるの?
誰か教えて?
どうしてなの?
なんで、こうなるの?
なんで、生きたほうがいい人が生きれなくて
生きる価値のないやつが生きることができるの???
ねぇなんで??
なんであの時と同じなの??
なんで変わらない。
また僕は何もできないで、誰も救えないの?
なんで?ねぇなんで??
僕はやっぱり無力だ。