ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
私には何もないのです。
可愛い顔も、
よくまわる頭も、
はやく走れる足も、
ひとを思いやる心も、
逃げ出さない根性も、
お父さん、お母さんが誇れるような子供になれる才能を、
人様がその人個人の価値観によらず「価値がある」と思えるようなものを、
何一つ持っていないのです。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
何も持っていない穀つぶしのくせに、のうのうと生きていてごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
私には何もできないのです。
あなたの機嫌をとることも、
視線から考えを読むことも、
あなたの望む言葉を当てることも、
十分に泣いて怯えてみせることも、
あなたが私に望むすべてのことを、
あなたの使い捨ての居場所としての役割を、
全うできなくてごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
何も出来ないできそこないのくせに、死なずに生きていてごめんなさい。
それでもこんな私を認めてほしいと、生きていてもいいと言ってほしいと、そう思ってごめんなさい。