おそらく細胞のレベルに
あのころの記憶が残っている
ほんの ほんの些細なことで
意識するより速く
神経が反応し 頭を 心を 揺らがせる
不安 不安 不安
わたしを愛して!
愛してるって言って!
そのままでいいって言って
わたしが必要だと言って……
気付いたときには
いちばん愛するひとに
じぶんがされて嫌だったことと
全く同じようなことをしている
そのつらさは誰より知ってるはずなのに
ほんとうは絶対にそんなことしたくないのに
愛を試すために
揺らぐじぶんの心を抑えるために
踏み込み 蹴散らし 踏み潰し 打ちのめして
相手にも心があるなんて
思ってもみないようなひとの血を
わたしは受け継いでいる
「あのひとは あんな風にしか わたしを愛せなかった」
いまは納得してる
恨みも憎しみもない
だけど不安なの
じぶんの愛も 誰かの愛も信じられないの
いちばん愛してほしいひとに
愛されてないかも知れないと感じることが
死ぬほどこわい
恐怖で何も見えなくなってしまう
わたしの最大の夢は
愛するひとと結婚して こどもを生み 育てること
だけどきっと 生涯かなわない
かなえてはいけない
どれだけ同じことを繰り返しても直らないから
どうしてこんな人間になってしまったんだろう
ひとを愛したい
愛を信じたい
揺らがないこころがほしい
不安でどんどん卑屈になる心を抱えて
近づくひとみんな傷つけて
これからあと何十年も ひとりぼっちで生きるのか
2008.5.18.22時