好きな漫画の発売日。公開を心待ちにしていた映画の封切り。ドキドキしながら抽選に申し込んで、無事にチケットがご用意されて大喜びしたイベントへの参加。
全部全部、楽しみにしていた予定のはずなのに、当日が近付くと楽しみよりも不安が上回って、息苦しくなる。
「期待していたほど良いものでなかったらどうしよう」という不安ではない。絶対に良いものだ。それは心の底から信頼している。
不安なのは、絶対に良いものなのに、大好きなものなのに、当日それを「楽しい」と思えないかもしれない自分がいることだ。
鬱病になって、今まで大好きだったものたちに全く興味を持てなくなった。
全然動けなくて、何もしたくなくて、大好きだった……いや、今でも大好きなはずのものたちに心が動かないことが悲しくなった。
これから先、私はもう二度と「楽しい」「好き」という感情を味わえないのでは? 涙が止まらなかった。
そんなとき、大好きな友人から、結婚式の招待状が届いた。
正直行ける自信が無かった。準備をする気力も無いし、当日無事に参加できそうな体力も無い。
でも、行かなかったら絶対に、一生、後悔する。
そう思ったから、気力を振り絞って「出席」に丸をつけた。泣いたり苦しんだりしながら準備をした。
結婚式当日。友人は世界一綺麗で幸せそうで、参加者みんなが友人夫婦を心の底からお祝いする優しい世界で、本当に、とっても良い式だった。
私も心の底から式を楽しんで、友人に幸せのお裾分けをしてもらって、会場ではずっと笑顔でいられた。
帰りの電車に揺られながら、体調を崩さず無事に式に参加できたこと、友人の幸せを心から祈れたこと、私自身が「楽しい」という感情になれたこと……。色々なことに安心してボロボロに泣いた。
今の私はあの頃よりも少し回復していて、大好きなものに関する予定を入れるとき、心の底から「楽しみだな!」と思えている。未来に、前向きな感情を抱けている。
ところがこの予定が近付いてくると、心臓がざわざわして落ち着かない。不安で息苦しくなる。
楽しみにしていた予定を、絶対に好きなはずのものを、もし当日「楽しい」「好き」と感じられなかったらどうしよう。せっかく思い出せた「楽しい」をまた忘れてしまったらどうしよう。大好きなものに心を動かせない、あの苦しさが戻ってきてしまったらどうしよう……。
そうやってどんどん苦しくなって、「楽しみな予定」にネガティブな感情を抱く自分が嫌になって、また苦しくなって……。負のループに自分からハマりに行ってしまう。
でもきっと実際のところ、行けば絶対に楽しいし「行って良かった!」と思えるはずだ。
これまでもそうだった。直前までどんなに不安でも、行けばちゃんと楽しい。案ずるより産むが易し。分かってはいる。
分かってはいるつもりなのに、脳の奥の方ではまだ理解しきれていないのか、今日も今日とて「楽しみな予定」が近付いてきたことに、不安と息苦しさを覚えている。
何度も繰り返して慣れるしかないのかな。
もう大丈夫だって、早く理解してほしいな。
「楽しみな予定」は今週末。今は不安で泣いてるけれど、当日の私はきっと心の底から楽しんでいるはずだから、熱中症に気をつけて行ってきまーす!
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