我ながら、すでに質の悪い臨床家並には自分の家族や自分のことは分析できているんじゃないかと思う。
けど、それにいったいどれだけの意味があるんだろうか。家族の前では本当に重要なことには何も意見できず都合のいい人間を演じているだけの人間のくせに。傷つくことを恐れて人に対して本音のひとつもほとんど言えないような人間のくせに。
知っているだけ。見ているだけ。考えるだけ。言葉にするだけ。
私に許されたのはそれだけで、そして許されたそれは、私の家族全員が放棄したものだから。
どれだけ言葉にしたところで誰が分かってくれるわけでもない。重すぎるし、専門的すぎるし、緻密すぎるし、道徳的な善悪を抜きにした記述すぎる。「お前は過去に囚われているだけだ、前を向け、人のせいにするな」なんて言われても仕方がない、だってそれは事実だからだ。
でも私にとってみればそれは仕方がなかった、必然的な行為だった、だって過去も因果も顧みない人間しかうちには居なかったのだから。そしてそんなうちは現にそのせいで内側から腐り崩れ落ちていっているのだから。
別に慰めて欲しいわけじゃない。ただ、なかったことにしないで欲しかった。私がこの目でまざまざと目撃した事実は幻なんかじゃなかったんだと、誰かに言ってもらいたかった。
「それは大変でしたね」
と言われて、そう気遣われることに悪い気は決してしなかったけれど、なんだかピンと来なかったのは多分このためだった。
「それは事実でしたよ」
と、それだけを誰かに言葉にして欲しかった。私が虚言癖で妄想癖のただのメンヘラなんかじゃないってことを、世界でたった一人でもいい、信用・信頼できる誰かに証明して欲しかった。
「見ないふりをしないで」
その事実に対処できなくてもいいから、見て、見ないふりをしないで、護身のために私を嘘つき扱いしないで、そうだね、そこにはそれがあるねと言って欲しかった。
私の考えてることを、感じていることを、感じてしまうことを、考えてしまうことを、ただ認めて欲しかった。
私の存在を認めて欲しかった。
「identify」をされなかった私の人格が透明なまま宙を漂っていて、私はそれに耐えられないから切り裂いて中身を確認して、そこにあると自分で認めて、でも本当に欲しかった他者からのそれは得られないまま
だから私はきっとこうして何度も何度も同じようなことを繰り返すのだった。そう、本当にこの行為はリストカットだった「ああ、私には血が流れている、まだこうして生きている」と確認するための自傷行為。
「欲しかった」そればかりだね。
欲しかったよ、そりゃ。
貰えるものなら欲しかった。
貰えなかったものは仕方ない。
でも諦めきれないでいる私も居た
それって、悪いことなのかな。
私まだ18歳だよ
「我が儘」のひとつくらい許してよ。
自分中心に世界が回ってるなんて考えたことない、とは言わないけど、それを人並み以下に抑えてきたことはきっと事実だったはずで、いつだって、私、理不尽なものと共存してきた。
理不尽なものを理不尽じゃなくするために、私、いっぱい考えた。たくさん考えて、どうしてこうなったのかを、たくさん考えた。どうして?どうすればよかった?どうするべき?どうしてこうなった?これからどうすればいい?それを考え続けた先に、こんな無理解の世界が拓けているだなんて、私、思わなかった。
こんな私は大人になれるわけがないと思ってた、でもそれと同時に、はやく大人になりたいと思ってた。
大人になって早くたくさんのことを理解したいと思った、もっとたくさんのことに対処できるようになりたいと思った。
でもこんなことになるなら、なんも知らない方がよかったのかな。それとも私は本当の本当に、とっくにただの妄想に取り憑かれた狂人なのかな。
もっとちゃんと生きたいや。
そのためにいつか誰かに認められたい。
私はちゃんと生きてるって。
私の感じたこと、考えたことは
私の存在は、嘘じゃなかったって。
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