私は金曜プレステージ『私は母になりました野田聖子・わが子との愛と闘い８７１日全記録』を見て、改めて普段当然

私は金曜プレステージ『私は母になりました野田聖子・わが子との愛と闘い８７１日全記録』を見て、改めて普段当然のように生きられることのできる本当の幸せに気付かされると共に自分の未熟さや惨めさに気付かされました。
１、２歳と言えば一番可愛い時期で、「ママとパパどっち先言うかな？」というくらい言葉も少しずつ話せるようになって、歩きたてのよちよち歩きで、見るもの全てに興味深々で、好奇心や遊び心旺盛で、やんちゃ盛りで、親に一番甘えたい時期だと思います。
なのにたくさんの障害や病気を持って生まれ、生まれた瞬間から過酷な運命と闘い、２歳になるまで９回の手術を乗り越えた彼。
あんな小さい体にたくさんのチューブに繋がれた彼。
本当は声を出したいのに気管切開によって声を失い思うように声を出せない毎日。
本当は口からものを食べたいのに胃ろうによって食べられない毎日。
本当は自由に歩きたいのに歩けない毎日。
本当は自由に動きまわりたいのに一日中ベットの上で自由がない毎日。
本当は自分の好きなように動かしたいのに脳梗塞から来きた麻痺によって右腕を思うように動かせない毎日。
本当は遊びたいのに遊べない毎日。
訳の分からないまま痛い思いをさせられて、
訳の分からないまま怖い思いをさせられて、
訳の分からないまま苦しい思いをさせられて、
訳の分からないまま辛い思いをさせられて、
嫌なこともやりたくないことも我慢に我慢を重ねて、無理に無理を重ねて頑張る毎日。
私は
彼は何の為に生まれてきたの?
彼は痛い思いをする為に生まれてきたの?
彼は怖い思いをする為に生まれてきたの?
彼は苦しむ為に生まれてきたの?
彼はサンドバッグにされる為に生まれてきたの?
と本当に可哀想で可哀想で自然と涙が溢れ出しました。
しかし彼はその答えを教えてくれました。
彼は生きる為に生まれてきました。
こうして一般的な子よりもたくさんのハンディを持っていながら、
それでもいつも前向きで、
いつも笑顔で、
どんな過酷な運命にも耐え、
どんな試練や困難も乗り越え、
ただ死に物狂いに闘い、
一生懸命必死に生きようとする彼の真っ直ぐな姿に心を奪われました。
彼の強さに感涙しました。
最初の涙はただ可哀想の涙でしたが、最後の涙は感涙でした。
世界には彼のように毎日死と隣り合わせで、痛い思いや怖い思いをし、それでも必死に生きようと命を懸けてどんな辛い治療にも懸命に耐え、死に物狂いに頑張って闘病生活を送っている人たちがたくさんいます。
また残念なことに克服できず、生きたくても生きられない人たちもたくさんいます。
その一方私たちは
当然のように学校や仕事に行けて、
当然のように夜になれば家に帰れて、
当然のように毎日家族と過ごせて、
当然のように自分の手でご飯も食べられて、
当然のように自分の力でお風呂にも入れて、
当然のように寝れて、
そして当然のようにまた朝を迎えられます。
また自分の行きたいところにも自分の足で行けて、
好きなものも食べられて、
自分の動きたいように動けて、
自分のやりたいこともできて、
自分のことは自分でできて、
自分の言いたいことも言えて、
我が儘も許さて、
何の不自由もなく過ごせて、
私たちは明日が来ることを当然と考え、生きています。
でも、私たちが過ごしているこの毎日は決して当然ではなく、とても奇跡なことで、とても幸せなことで、一番に感謝しなければならないことだと改めて気付かされました。
人は失って初めて過去の幸せに気付きます。
しかし私は失う前に彼に本当の幸せに気付かせてもらいました。
この世に「当然」という言葉なんて１つも存在しないと思います。
もちろん幸せは一人一人違います。
いい大学に行っていい会社に入ることが幸せだと思う人もいれば、好きな人と一緒にいれることが幸せだと思う人もいます。
また愛する人と結婚して、子供を授かって家庭を築くことが幸せだと思う人もいれば、自分の趣味に打ち込むことが幸せだと思う人もいます。
幸せや価値観、考え方、生き方は千差万別・十人十色です。
しかし千差万別・十人十色の中で全ての人間に共通していえる本当の一番の大きな幸せは
「生きられる」
ということです。
生きられるということは本当に奇跡です。
一番に感謝すべきことです。
なのに今までの私は人生に対して常に不平不満や愚痴を持っていました。
常に周りに対して敵意心や攻撃心を持っていました。
恥ずかしい話、この世で一番苦しんでるのは自分だと思い込んでいました。
「この世で自分が一番苦しい思いをし辛い思いをしてる。」
「この世で自分が一番頑張ってる。」
「自分以外の人間はみんな幸せ者だ。」
「何で自分だけ？何でいつも自分ばかり？」
「自分の人生は人一倍毎日が試練や困難の連続で、人一倍自分の思い通りに行かない毎日で、人一倍苦しくて、人一倍辛くて毎日必死にしがみついて、死に物狂いに闘ってるどうしようもない人生だ。試練や困難を乗り越えられる自分は本当にすごい。強すぎる。誰がここまでできるか。」
と本当に傲慢な考えでした。
しかしそれは大きな間違いでした。
本当に彼等に比べれば自分の試練や人生なんて比べ物にならないほど甘くて易しいものだと気付かされました。
また社会問題になっている年間３万人と言われる自殺、そして殺人事件、虐待、イジメ、体罰、非行などの様々な絶対あってはならない悲しい問題がたくさん起きています。
今の世の中には他人を思いやる慈愛精神が足りないと思います。
また本当の幸せに気付かず、その幸せを当然なことだと考えている人が多いと思います。
だからこのような問題が起きるのだと思います。
私たちがこうして誰かに誰かの不平不満や愚痴を言ったり、互いが互いを傷付け合ったりして無為に過ごしたり、自殺や殺人事件が起きた今日というのは、昨日あれほど生きたいと願いながらも亡くなっていった人たちの今日です。
だからこそ私たちは与えられた命に感謝し、どんな逆境に直面しても、人や神を恨まず、運命に耐え、常に慈愛精神をしっかりと持ち、互いに謙虚に助け合って生きていくことが私たちの使命です。
私も含めてもう一度一人一人が本当の幸せに気付き、そして心から感謝し、人の立場に立って物事を考えることが大切なことだと考えます。
一人一人が慈愛精神をしっかりと持つことが必要なことだと思います。
そして彼の体には手術のたくさんの傷跡が残っています。
それは決して汚いものでも痛々しいものでもなく、むしろ
「僕は一生懸命生きようとしています。
「僕は生きる為ならどんな過酷な運命も乗り越えます。」
といった生きようとする彼の強い証です。
とても素晴らしい証で誇れる立派な強い体だと思います。
彼がこんなにたくさんの過酷な試練や困難を乗り越え、生きることを勝ち取ることができたのはもちろん家族の支えや医師や看護師の支えもありますが、何よりカッコイイ自分が自分を支えていたからだと思います。
２回目の手術をするとき、１回目の手術を乗り越えられたカッコイイ自分が隣で
「大丈夫！頑張れよ！」
と励ましてくれ、
また３回目の手術をするとき、２回の手術を乗り越えられたカッコイイ自分がまた隣で
「お前なら大丈夫！頑張って行って来い！」
と勇気付け、
そして最後の手術をするときには、８回の手術を乗り越えられたカッコイイ自分がまた隣で
「お前は８回も乗り越えられたんだから絶対大丈夫！自分と一緒に頑張ろうな！」
と手術のときだけに限らず、毎日試練に直面する度に昨日乗り越えられたカッコイイ自分からの励ましや支えがあったからこそ数々のハードルを乗り越え、生きることを勝ち取ることができたのだと思います。
一緒に生まれてきてくれたのは誰？
自分と一緒に笑ってくれたのは誰？
自分と一緒に泣いてくれたのは誰？
苦しいとき一瞬も離れず自分の傍いてくれたのは誰？
辛いとき一瞬も離れず自分の傍にいてくれたのは誰？
怖いとき一瞬も離れず自分の傍にいてくれたのは誰？
不安なとき一瞬も離れず自分の傍にいてくれたのは誰？
楽しいとき一瞬も離れず自分の傍にいてくれたの誰？
嬉しいとき一瞬も離れず自分の傍にいてくれたのは誰？
痛くて怖くてどうしようもない手術を一緒に受けてくれたのは誰？
自分の痛みや苦しみを一番分かってくれて知ってる人は誰？
自分の一番の理解者は誰？
3６５日２４時間常に一緒にいてくれたのは誰？
それは家族でも、医師でも看護師でも誰でもなく、自分です。
それがカッコイイ自分です。
彼の痛みや苦しみは彼にしか分かりません。
彼の心境は彼にしか分かりません。
彼の痛みや苦しみは彼が一番分かっています。
彼の性格は彼が一番知っています。
彼のことは彼が一番分かっています。
彼の一番の理解者は彼です。
その後者の彼というのは試練を乗り越えられたカッコイイ自分のことです。
人は試練を乗り越える度に強くなり、試練や困難、痛みや苦しみを経験すればするほどカッコイイ自分と出会い、カッコイイ自分がいつも自分を助けてくれて守ってくれるのだと彼は教えてくれました。
だから彼を人一倍カッコイイ自分がいつも傍で支えてくれ、励ましてくれ、勇気付けてくれ、守ってくれ、助けてくれているのだと思います。
人生どれだけカッコイイ自分と出会えるかだと思います。
私も彼のようなカッコイイ自分と出会い、一緒に人生を歩んでいきたいです。
そして更に
「一番大切で価値のあることは人生は長さではなく、質である。」
「神様は乗り越えられない人には試練を与えない。」
「乗り越えられる者だけに、選ばれた人間だけに試練は与えられる。」
「人はテニスボールと似ていて、どん底に堕とされれば堕とされるほど弾力性があり、以前よりずっと強くなって高みに向かって上がることができる。」
「人生の全てに意味がある。」
「無理という言葉や限界、不可能な言葉は存在しない。人間には無限大の可能性がある。」
というたくさんのことを彼は私たちに教えてくれ、証明してくれました。
私は小さいながらに命を懸けて必死に頑張って生きようとする真っ直ぐな彼の姿を見て、不平不満や愚痴ばかり持っていた自分の恥ずかしさ、惨めさ、弱さ、甘さ、未熟さ…に気付かされました。
世界には彼のようにどんな過酷な運命も懸命に耐え、生きる為に死に物狂いに闘ってる人たちがたくさんいます。
更に生きたくても生きられない人たちもたくさんいます。
このような人たちのことを思うと、
「五体満足で生まれ、何の不自由もなくとても幸せな私が弱音や不平不満、愚痴を言う資格なんてない。」
「私より苦しいはずなのに彼等は必死に頑張ってる。だから自分も頑張らなきゃいけない。強くならなきゃいけない。」
と彼はエネルギーや改善点を私にくれました。
また彼は私たちにたくさんの勇気と愛、そして夢と希望、感動をくれました。
彼は私たちに普段気付かないたくさんの幸せに気付かせてくれました。
私が助けたいというよりも、逆に彼から助けられました。
逆に救われました。
私たちにとって彼はヒーローです。
彼に心から感謝したいです。
彼を心から尊敬します。
何があっても、他の誰でもない真輝君で私たちにとってかけがえのない宝物です。
私は必死に生きようと一生懸命頑張る彼が大好きです。
私がもし彼に会えるなら、
一番に抱き締めてあげたいです。
そして私が彼に何か一言言えるとしたら
「愛してるよ」
と言ってあげたいです。
これからも、名前通り真っ直ぐ輝ける真輝君でいてほしいです。
私は一人でも多くの人を助けてあげられて、一人でも多くの人に夢や希望、勇気、愛、感動、そして幸せを与えられる彼のような優しい人間になりたいです。
またどんな過酷な試練や困難も強く、そして正しく乗り越え、その中から美しく大きな花を咲かすことのできる彼のような強い人間になりたいです。
最後に生まれたことに心から感謝し、これ以上ない幸せを強く噛み締め、自分の夢に向かってただ我武者羅に、そして真っ直ぐに突き進んでいきたいです。