長い間忘れられないことがある。
でも、もう忘れたいから、記憶を整理するために、全部言おうと思う。
小学校で仲がよかった友達のEちゃんがテニス部に入るというから、私も一緒に入ろうかなと思って、入ることにした。
テニス部には1年生が最終的に30人ほどいた。女子テニス部だったから、みんな女子。
私は元々そんなに球技は得意じゃなくて、テニスもそんなに上手く出来なかった。まずそこで、ちょっとやる気を失っていた。
入部から間もなく、ダブルスのペアを組んだ。Dちゃんという子が私のペアだった。
入部してすぐ、A、Bちゃんと友達という名前の関係で結ばれた。
Cちゃんは他のグループの子達と一緒にいた。
私はCちゃんとも少し話していたけど、A、BちゃんはCちゃんのことが嫌いみたいだった。私は何も口出しできなかった。
擦れ違ったりする度に悪口を言っているのを見て、怖かった。
なんで嫌いだったのかは忘れてしまった。
それから少し経って、私はA、Bちゃんに止められながらも、Cちゃんと話したりしていた。私はCちゃんが嫌いではなかった。
A、Bちゃんはそれを見ても、特に何も言わなかった。いや、裏では言ってたかもしれないけど、今となっては解らない。
でもある時、Cちゃんがグループの中の一人と大喧嘩をした。
それがきっかけで、Cちゃんはそのグループから離れた。居場所がなくなったと私に相談をしてきた。Cちゃんは私しか味方がいないといった。
できれば私も一緒にいてあげたかった。でも、このことをA、Bちゃんが知ったら…顔も広くて、部内でも怖かった(私が思うに)Aちゃんに嫌われたら、私がどうなるか。でも、Cちゃんを見捨てるのも嫌だったから、自分達のグループと一緒に行動するよういった。
Cちゃんは表面的にはA,Bちゃんともなかよくしていた。それはA,Bちゃんも同じだった。でもお互い嫌いあっているのは解っていた。
「私しかCちゃんを救えない」という正義感のもと、「ずっと友達」とかなんとかいうことを彼女にいったような気がする。
私たち4人の関係はぎすぎすしながらも、少しずつよくなっていった。1年が終わる頃には、もう普通に仲良くなっていたと思う。
表面的なものかもしれないけど。
でも、CちゃんがA,Bちゃんと仲良くなっていくにつれて、私は自分の居場所がなくなっていくように思えた。
A,Bちゃんは小学校のときから仲が良かったみたいだから、私が入り込む隙もなかったんだけど。
私はいじられキャラとしての存在を徐々に確立していった。3人にもいじられ続けた。
でもそれは日に日にエスカレートした。ものすごく激しい暴力みたいなものはなかったし、いじめではなかったって思ってるけど、どうだったかはよく解らない。
A,Bちゃんの二人乗りが先生に見つかって、罰として中庭掃除をしていた時、側で終わるのを待っていた私の頭に、Aちゃんは抜いた草を載せた。嫌だった。抵抗は出来なかった。
部室で着替えているとき、みんなの前でズボンをずらされた。パンツが脱げなかったのはよかったけど、Aちゃんは「○○(私の名前)、パンツがおばちゃんみたい!」と笑った。Bちゃんも笑った。Cちゃんは苦笑していた。あの頃はなんともなかったけど、嫌だった。でも私は笑った。
A,Bちゃんの私いじりがエスカレートするたびに、CちゃんのペアのRちゃんとか、Cちゃんとかが、「ちゃんと嫌だっていいなよ」と心配してくれた。それだけで十分だった。あの頃は一人にならないためだけでいっぱいいっぱいだった。
A,Bちゃんの私いじりは、2年生から3年生が一番ピークだった。私は次第に、皆に対して敬語を使うようになっていた。嫌われないためだった。逆に、先生に対しては反抗的だった。親にも反抗したことないのに、授業中に寝るのは当然で、絵を書いたりしてまともに受けなかった。まあそれはみんなそうだったけど、授業が始まる前に、掃除用具入れに隠れて、ここで過ごそう…とか考えていた。ばかだった。先生が私がいないのに気付いて「あれ?○○さんは?」といったところで、やばい、出なきゃだめだよね、でも…と思いつつ、外に出たら、クラスの男子の軽蔑するような視線が痛かった。いつも私をいじっていたクラスの人達は、「何やってんの、○○」と笑っていた。
一番忘れられないことがある。1年の頃、クラスで突然いじめが始まった。DQNの女子達が、一人の女の子をいじめ始めた。私はその子と話したことがあって、「下校の時に、しつこくつきまとわれて怖い」と相談された。私は怒りに震えていた。「じゃあ一緒に帰ろう」とその子に言った。確かにDQNたちがついてきた。私の名前を知っていたみたいで、「こいつ○○じゃね?」って言ってきた。無視した。その日の別れ際に、いじめられてる女の子に言われたのが、「また助けてね」だった。幼かった私は、その言葉が嫌だった。ありがとうも言わないで、そんなこと言うなんて、図々しい…その時、その子を心から嫌いになった。今思えば、私はすごく幼かった。
でも、A,B,Cちゃんが「あの子キモいよね」って部活で言ったりするのを聞くのが嫌だった。私も心の中では思ってるのに。
いつも一緒に学校を行き帰りしている幼馴染に、上に書いてあること全部を話した。するとその子は、「じゃあ、私とはもう一緒に帰ってくれないの?そんなこと言う人と一緒に帰るの?私達親友じゃん」と言われた。びっくりした。てっきり、「これからも友達でいてあげなよ」と言われるんだと思った。悲しかった。確かにその子は親友だったからだ。一番大事な友達だ。だから、なんだかそれも正論のような気がして、その日からいじめられてる女の子を避けた。
それは1年の時の話。2年になって、またA,Bちゃんが「あいつキモイ」って話をしてた。私が黙っていると、ABちゃんは「○○が怒ってるよ」みたいに言った。私はその後「(悪口に対して)そんな酷いこと言わないで」みたいなことを真顔で言った記憶がある。その日から、本格的にA,Bちゃんと気まずくなった。でも、3年間行動は共にしていた。
3年間を通して、私は本気でテニスをやらなかった。Dちゃんはもっと試合に出たいって思ってたみたいだけど、私もDちゃんも弱かった。通算しても、勝ったのは1,2回くらいだ。しかも年下の子。中学最後の試合も、勝てなかった。Dちゃんは泣いていた。私は涙なんか出なかった。だって本気じゃないから。「結局できやしないんだ」って思ってたから。表面的には、試合に負けた時、すごく悔しそうに演じた。その日は泣く演技をした。するとDちゃんが「よかった」っていった。何が、と聞くと、「○○ちゃん、試合の時、泣いたりしないから。私と同じ気持ちじゃないのかなって思ってたけど、違ったんだね。嬉しい」と泣きながらいった。苦しくなった。自分を責めた。でも、もう既に遅すぎた。
雨の日が嫌いだった。雨の日は屋根のあるところで練習した。A,Bちゃんはよくサボっていて、私とテニスが上手かったCちゃんは、ちゃんと練習に行っていた。CちゃんはA,Bちゃんのそういうところを嫌がっていた。私はCちゃんがA,Bちゃんを呼び捨てにするくらい仲がいいと思っていたから、びっくりした。確か2年の頃だった。2年の時、私はCちゃんと同じクラスになったから、交流も増えた。レズキャラでも通っていた私は、Cちゃんのことを可愛いと言い続けた。照れていた。やっぱり可愛かった。可愛い、は本心だった。A,Bちゃんにどんなに貶されても、「A,Bちゃん可愛い」と言うことで、好きになれる気がしていた。私はこの頃からおかしくなっていた。A,Bちゃんを好きになろうとしていた。好きになったら、きっと毎日楽しいだろうと思ったからだ。「私はA,Bちゃんが好きだ、可愛い、可愛い」と色んな人に言いふらした。すると不思議と心が軽くなった。少し好きになれた気がしていた。だから、私がどんなに激しいいじり方をされても、心配する人は減った。Rちゃんはやっぱ? $j?4G[$7$F$/$l$?$1$I!"JL$K2?$bJQ$o$i$J$+$C$?!#$=$l$G$h$+$C$?!#A,Bちゃんと上手くいっていれさえすれば、それでよかった。
私はCちゃんと交換日記を始めた。でもそれはすぐに終わった。あまりに気を遣いすぎて、何を書けばいいか解らなくなったからだ。見返してみると、可愛いと好きくらいしかかいていなかった。こんなの続ける必要ないよね、と思って、捨てた。ノートの交換が止まっても、Cちゃんは何も言ってこなかった。Cちゃんも私同様、気を遣いすぎる人だった。
ある日、Aちゃんが4人で交換ノートをしようと言い出した。それはよかったけど、Aちゃんが私と二人でやりたいとこっそり言ってきたのだ。なんで私と…と思ったけど、とりあえずノートを用意した。始まってしばらくしてから、Cちゃんが「Aと交換ノートしてるんだ。私とはしてくれなかったのに」とさりげなく言ってきた。もう捨ててしまっていたし、すごい時間が経っていたから、新しく始めたらいいのかどうか、すごく悩んだ。その末に、「もう一回やらない?」と聞いてみた。でも、「いいよ、別に」みたいに返された。多分彼女は泣いていた。あの時の私はすごく悩んでいたと思う。
今思い出したけど、すごく記憶に残ってることがある。午後の部活をサボった日、2階の渡り廊下に4人でしゃがみこんでいた。私だけ窓側にいて、3人と向かい合うように座っていた。なんか誰かの悪口をABちゃんの2人が言っていたのを聞いてて、突然Aちゃんが口を開いたと思うと、「先輩が、○○の悪口言ってたよ」といった。私は全身の血が引いたような気がした。先輩に嫌われたら、中学校を生き抜けないと思っていたからだ。私は静かに泣いた。そしたら「泣くほどのこと?」とか「まじ?」とかってABちゃんが口々に言った。CちゃんはABちゃんに聞こえないところで「最低だよね」みたいなことを言った気がする。でもその時、もう誰も信じられなかったから、Cちゃんだって私のこと悪く言ってるくせに…くらいに思った。
3年になって、Bちゃんと同じクラスになって、すごく仲良くなった。1年の時に一度同じだったから、Bちゃんとは交流が多かった。
Bちゃんといえば、Aちゃんの幼馴染みたいだったけど、AちゃんはBちゃんを嫌いらしかった。そんな風なことを私に言った。2人の関係は限りなく不思議なものだった。AちゃんはいつもBちゃんのご機嫌をとる?みたいにしてた。というか、AちゃんがBちゃんを独占したがっていたというか、可愛がっていた。でもAちゃんはBちゃんの悪口を私に言ってきた。よく解らなかった。
私の中学時代は大体こんな感じだった。自分語りしてすみませんでした。ここまで読んでくださったかたすみません。ありがとう。
今はABちゃんが同じ学校なの以外はバラバラです。卒業後数ヶ月間以外は連絡もしてないです。でも卒業してからの方が、仲良くなれた気がした。私が少しは大人になれたってことかな。どうなんだろう。あの頃はABちゃんのご機嫌をとったりするのに必死だったけど、もう二度と会いたいとも話したいとも思わない。自己暗示でABちゃんを好きになりかけていたけど、もう好きじゃない。それでいいんだ。