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この小瓶には、#たかにど傀逅の二次創作小説が入っています。動画アーカイブをご覧の方のみ、拾ってください。

カテゴリ

きんぎょやすみ
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注意事項

※本作品は、2020年4月20日、4月22日にむつー/mutuu gaming様のYoutubeチャンネルにて行われた、クトゥルフ神話trpg 「傀逅」#たかにど傀逅の重大なネタバレを含みます。
動画アーカイブご視聴後の閲覧を推奨いたします。

※本作品は、たかにど傀逅のネタバレを含みますが、本編とは一切関係のない二次創作(ifストーリー)でございます。

※捏造や個人的解釈を含みます。

※無断転載、パクり、参考などは全面禁止しております。

※誤字脱字や、言葉の使い方、文の区切り方など、間違えている箇所が多々あるかも知れません。
「中学ニ年生が書いた文だしな」と、どうか温かい目で読んでください。

※物凄く読みにくく、話の流れがよく掴めない小説となっております。

※感想や考察は大歓迎でございます。
お返事を書いて頂けると、わたくしのモチベーションにも繋がりますので、是非沢山のお返事を流していただけると嬉しいです。

※本作品はフィクションです。

それらを踏まえた上で、大丈夫という方は、先へお進み下さい。

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「勝、」
 真っ白な世界。そこに、聞き慣れた声が響いた。何度も何度も会話を重ね、一緒に笑って、たまに怒られて。それでも、ずっと隣にいてくれた人の声。
 俺の、親友で、俺の、相方の声。
「.........優」
 白い背景に真っ黒な髪の毛がよく映える。優、俺の相方の契稔優は、薄い幕を張った、これまた黒い目で、ただじっと俺を見つめていた。
 帰ると言ったのに、負けてしまって、世界を守れなくて。情けない自分に嫌気が差す。
 情けないどころではない。申し訳ない。
 俺は何も言えなくて、下唇を噛み、俯いていた。
 その時、足音が聞こえた。影が近づいてくる。次の瞬間には、体に何かが当たった。そして、その何かに抱きしめられた。
 それは、鼻水を啜る優だった。
「......っ...よぉ頑張ったな......よぉ頑張ったな...!」
 優は優しい声色で、俺を強く抱きしめた。その締め付けられる痛みは、どうやらあるようだ。
 反対に、俺の腕は力が入らず、だらんと垂れ下がったまま。首に掠る優の髪の毛がくすぐったい。
「...なんや、怒らへんのな」
「どこに怒る要素があんねんっ!!」
 ボソッと呟いた言葉も、近くにいる優の耳には入っていたようだ。まぁ、俺の首に顔を埋めているくらいだから、当たり前のことだが。
「やって、俺、何も救えへんかったし。てっきり、なんで絶対勝って帰ってくる言うて世界滅ぼしとんねんボケナスぅ。って言われんのかと」
「お前の中の俺どないなっとんねん!...っもう救うとか、どうでもええわ!俺は!またお前に会えただけで、十分、やねん...」
 声がどんどんか細くなっていく優を見て、何故か喉奥が熱くなる。
 俺は少しずつ腕を上げ、そっと優の体を抱きしめ返した。
「勝...」
「ごめん...ごめん...!何も、守れへん...かった...!負けて、もうた...!人類、どころか...っ金魚すら救えへんかった!」
 ポロポロと自然に涙が零れる。優の黒いスーツにより黒いシミを作る。そして、俺の肩もまた、優の涙で濡れている。
「ええんよ、ええんやで。もうええねん。お前はよぉ頑張った。それだけで、それだけでええんや...!」
 優の言葉に、何故か安心感を覚えた。ずっと我慢してきた、言えなかった、その言葉が溢れてしまった。
 それは、洪水のようなものではなくて。まるで、火山が噴火するような、そんなもの。
「...っポイなんて、すぐ破れてまうんや...!俺は何も出来ひんかった!!俺なんかが救おうだなんて、くっ...甚だ、おかしな話やったんや!!」
 先程までは逆だったのに、今は俺が優の体に体重をかけている。膝に力が入らない。力は腕に入る一方で、優の背中に爪を立ててしまった。
 それでも優は、「力加減、上手なったな」と笑うばかりだった。
「何も出来ひんかったなんて言うな。毎日毎日苦しゅうて、どんどんボロボロになりよって、バディもおらんくなってもうたのに、お前はほんまに頑張ったと思うで」
「俺の、せいや」
「お前のせいやない。ほんっっまによぉ頑張ったな。ありがとう、っありがとう...」
 涙のせいで声が出ない。「優」その名前すら出てこない。出てくるのは、弱々しい母音と、しゃっくり混じりの泣き声だけだった。

 暫く経っても一向に涙は止まらず、そろそろ頭が痛い。その間も、優はぽつりと言葉を続けた。
「もうさ、世界...滅んでもうて、俺も死んでもうたんやけど。俺、それで良かったー、って思ってんねん」
 笑いながらそう言う優の抱きしめる力が、より強くなった気がした。
「お前、あのままやったら絶対帰ってこんかったやろうから、...またこうやって話せとんの、ごっつ嬉しいわ」
 肩を上下させて、脳を覚ますために必死に酸素を取り込む。その度に、優は優しく背中を叩いてくれた。
「あんな、勝。お前が行って、俺がどんくらい泣いたと思ってんねん。俺の涙で水道代1ヶ月分節約出来るかと思たわ。そんぐらい辛かったんやで?」
「...せやったら、もう芸人やらんとも、生活できるんちゃいます?」
「毎日お前がどっか行って、泣かせてくれたらな」
「あほか。もうそんなことせんよ。...っちゅーか、涙飲むとか絶対嫌やわ!」
 ははは、と笑う優。
「なんや、全然ツッコミ出来るやん。やったら、またここでも漫才やってくれるよな?」
「やるに決まっとるやろが。お前と漫才するために頑張ってきてん」
 そう。俺はただ、いつも通りの幸せな日常が欲しかった。それだけが、俺の戦う意味だったんだ。
 だから、わざと口には出さないでおいた。
 世界が滅んでも、また優に会えて嬉しい、と。
 そう思ったら、また涙が溢れてきた。
 それは、また優と邂逅出来た嬉しさから来た涙か、世界をすくえなかった悔しさから来た涙か。今の俺にはわからない。
「...っ」
「おっ、なんや。今日は随分泣き虫さんやなぁ?」
「...ぉ、お前も...泣い、てたやろっ...」
「あぁ、せやなぁ。せやからもう、ゆっくり休も」
「ご、めん、っごめん、なぁ...」
「謝んな。お前はやれること全部やった」
「誰もお前を責めたりせん。お前は、」

ーちゃんと、正義のヒーローやった

 あぁ、ただ、その言葉が、聞きたかったんだな。
 今はもう、いい。ゆっくり休もう。
 隣には、たった一人の、大切な人がいるのだから。
 俺は世界を、すくったんだ。

「なぁ勝」
「なんや、優」
「静かやね」
「...静かやな」
「俺ら、今幸せやな」
「......幸せ、やね」

 心の中で燃えていた炎が、俺の手によって、そっと光を失った気がした。




fin.

mzk
204021通目の宛名のないメール
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mzk
(小瓶主)

ザクロ様へ。

お返事ありがとうございます。
わたくしも、全て優に代弁してもらう勢いで書かせていただきました。
たかにど傀逅を見終わり、感想戦を聞いていた時、今回の小説の一片が浮かび上がったのです。
優が勝を抱きしめて、泣きながら頑張ったな、という。
そして、勝もまた泣きながら懺悔を零す。
それでも、また会えて、邂逅出来て、良かったな、ちゃんちゃん。
これだな、と確信しました。
脳内スクリーンで優と勝の会話を映し出した結果、もっと泣いたのを覚えています。

見終わった直ぐに書いた小説なので、繋がりが満載だと思います。
実際に、わたくしも「この要素を入れたい」と思って書いた節もありますので。

ネタバレを含みますので、少しぼやかしますが、体の異変は入れたいなと思ったんですよ。
それこそ、ザクロ様が書いていただいた台詞など。
ただ、2回目、3回目の異変は、入れることが出来なくて。
記憶は正直、この世界になったら関係のない話ですし、見えなかったら話が進まないですし...というわけでして。
結局、一つしか入れられなかったのです。
それでも、伝わっていたのであれば、わたくしはとても嬉しいです。

最初は、金魚ではなく出目金にしようかと思いました。
しかし、どのみち出目金も金魚だな、と思いまして、このような形のなりました。
それに、勝は優だけをすくうために戦ってきたのではなく。
セッション中の行動を見て、2人で生きたかったんだなと解釈致しましたので。
2人が生きなければ、意味がなかったんです。
だから、勝はあの選択を取ったと思うのです。

ザクロ様は他の方の傀逅も見ているようですし、わかると思われますが。
傀逅のエンディング。
たかにど傀逅のようなエンディングでないと、このような小説は書けないんですよ。
頑張ったな、ありがとうと、言えないんですよ。
それが何故かは、ここでは言えませんが。
だから、これで勝は救われたのかな、と勝手に思っています。

すくうと救うの使い方はとても悩みました。
でも、きんぎょすくいはすくいですので、最後のすくうは平仮名で書かせて頂きました。

優の台詞は、書いていてとても楽しかったです。
しかし、わたくしの中の優で書いてしまったので、皆様にどう思われるか心配だったのですが、解釈一致しているのであれば、とても安心です。
ただの関西弁ではなく、奈良産の夢咲さんが担当されているということですので、大阪よりも少し離れたところら辺を意識しました。
「〜しゅうて」や「〜もうた」などですね。
まぁ、どっちにしろエセ関西弁なので、完全再現は難しかったんですけど。
夢咲さんのRPが上手なお陰で、書くのはとても楽でした。

いえいえ、こちらこそ読んで頂いて本当にありがとうございます。
長いお返事になってしまい、申し訳ありません。
こちらの小説は、是非ザクロ様に読んで頂きたかったので。
たかにど壊胎・たかにど傀逅に限らず、地獄を胎む山や、変装03、むつーシャッハ、ハンドカフト(わたくしが見たのはたかむつですが)。
それらのTRPGセッションを見ようと思ったキッカケがザクロ様でしたので。
本当に感謝しております。
現在制作中の小説は、ザクロ様も見たセッションだと思われますので、そちらを流した際は是非。
完成度は期待出来ませんが、楽しみにしてくれると嬉しいです。

お返事ありがとうございました。
またのご感想、お待ちしております。

ザクロ

読ませていただきました。

たかにど傀逅を見終わって勝に伝えたかったこと全部優に言ってもらった気がする。この2人には本当に幸せになってほしい。

2回目を見て、改めて本編とのつながりのある文章がいくつもあって「うわぁ」となりました。急にテンション違うんですけど好きすぎるので私もネタバレ挟みながら話します。

「その締め付けられる痛みは、どうやらあるようだ。」
「力加減、上手なったな」
ここがある意味ヒーローというものから解放されたという感じがしていいですね。いつも通りに戻っていく。


「人類、どころか...っ金魚すら救えへんかった!」
黒い出目金と黄色い金魚、自分もしくはきんぎょすくいの自分たち2人のこと何だろうなって思って、勝の2人でもっと生きていきたかったという思いがあって好きです。本編の最後であの選択をしたのも2人で生きたかったからと思うと余計に辛い。

全体的に「すくう」というのが平仮名で書かれていて。きんぎょすくいとかの「掬う」と誰かを「救う」という二つの漢字の意味があるんじゃないかと思ってすごくいいなって思いました。

あと、優のセリフが全部解釈一致すぎてすごい。

今回も素敵な小説をありがとうございました。

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