私は、小学校の頃からずっといじめられていましたが、とうとう小学三、四年頃？から中学卒業まで場面緘黙症になりました。
学校でもどこでも、全く自分を出せず、究極、喋ることもできなくなってしまいました。首を縦にふるか(肯定)、横に振るか(否定)のみで周りとコミュニケーションを取っていました。
進級するにつれて、ますますいじめは陰湿に狡猾に、エスカレートしました。私はそれを受け止め続けていました。
そんななか、隣のクラスの女ボス、Ｍちゃんだけは私に良くしてくれたのです。
Ｍちゃんは、体が大きくて、女子特有の陰湿さのまったくないサバサバした子で、親分肌で、正義感があり、皆のボス的存在で、でも弱いものいじめはしない、ひょうきんで面白くて、皆の人気者でした。
大らかで、安心感があって、私もＭちゃんの前ではリラックスできたのでした。
学校のいじめっ子達も、Ｍちゃんの前では、私に手を出さず、コロッと態度を変え、私に親切にしだすのです(苦笑)。
Ｍちゃんも、その事をわかってわざと休み時間になると時々私のクラスに現れて、私を助けてくれていたようでした。
中学に上がってから、私の母親が蒸発しました。
その後、Ｍちゃんは、私とよく一緒に帰ってくれました。
Ｍちゃんちに度々泊めてくれて、ご家族皆さんは歓迎してくれました。夏はよくＭちゃんち家族と海に行きました。
「近所でも有名な変人家庭の一番上の子」、皆、自分の親から、あの子とかかわるなと言われていて、誰にも相手にもされなかった私なのにも関わらず、
ＭちゃんとＭちゃん一家は、私に良くしてくださったのです。
Ｍちゃんとは、中学卒業まで、ついにずっと同じクラスにはなれませんでした。
そして、私達はそれぞれ別の高校に進みました。
携帯もなかった時代です。連絡先をお互い知りませんでした。
………
私は故郷とは絶縁しているので、実家の毒家庭とも、いじめに加担した、殆どの同級生達とも絶対会いたくありません。
自分が親になってわかります。Ｍちゃんの親御さんは、どこの子に対しても、区別せずに親切で優しい御両親だったのだなと。明るい家庭で、あんなに素敵なＭちゃんを育てたのだなと。
Ｍちゃんと、Ｍちゃん家族に会いに行って、こんな変人家庭の子にも親切にしてくださった事、あの楽しかった、Ｍちゃんの家庭で過ごさせてもらったことを、お礼を言いたいです。
