今日、優しい先輩を怒らせてしまった。
手を抜いたつもりはなかったけれど、周りから見たらそう見えていたらしい。人伝に、私のフォローにつくのは嫌だとその先輩が言っていたと聞いた。
業務中、先輩の顔が見られなかった。
ずっと手が震えていた。
うまく呼吸できなかった。
職場で一番大好きな先輩だったのに、きっとこの先輩は私のことが嫌いなんだろう、もう失望されただろうと思うと、昨日みたいに話しかけられない。きっとこの先も、今までみたいには関われない。
苦しくて、苦しくて、休憩時間にトイレでレグカをしてしまった。太ももの痛みと血が流れる感覚で、少しだけ冷静になれた。
努力は他者評価。
先輩から手を抜いているように見えたのなら、きっとそうだったのだろう。
私が悪くて、私だけの責任。私がもっと真面目な人間だったら、先輩にそんなこと言わせることがなかった。この部署に配属されたのが別の新人だったら、先輩たちに余計な労力をかけることもなかった。私が存在しなかったら、誰も迷惑を被ることはなかった。
死んでしまいたい。消えてしまいたい。
人を不幸にすることしかできない私が生き続ける意味は何なのだろう。
昨日までは大好きだった先輩。
今日からは緊張の対象でしかなくなった先輩。
もう、職場で話せる人はいなくなってしまった。
辞めることは出来ないし、消えることも迷惑をかけないことも出来ないから、とにかく邪魔にならないように息をしていよう。私にできることは、きっとそれくらいだから。
先輩、ごめんなさい。
真面目な性格じゃなくてごめんなさい。
ちゃんとできなくてごめんなさい。
迷惑をかけてしまってごめんなさい。
嫌な思いをさせてしまってごめんなさい。
懐いてしまってごめんなさい。
あなたの後輩になってしまってごめんなさい。
明日からは空気になれるように頑張ります。
もう二度と馴れ馴れしく接したりしません。
可能な限り関わらずにいられるように努力します。
業務連絡以外の言葉をかけたりしません。
視界にだって入らないようにします。
なんの価値もない私の心臓が、1日でも早く止まりますように。
