今日のお昼頃、1羽のカモメが飛んできました。
そのカモメは世界中を旅しており、はなとも会ったことがあるようです。狼はそのカモメに頼んで、お話を聞かせてもらうことにしました。
そのカモメは西から飛んできたようで、そこで見た面白いものを、たくさん教えてくれました。
そしてそのカモメは最後に、あるお話をしました。
「私は世界中を旅してきて、たくさんのものを見てきた。大空を飛んでいる時、私は自分が世界で1番自由だと思う時があるよ。」
「けれどね、自由っていうのは同時に世界一の孤独であると言うことを表していると思うんだ。」
「僕は確かに、自由に空を飛べて幸せだ。でも、自由と言うのは、何物にも縛られることなく、生きていくこと。つまり、この自由を共有する者もいないと言うことだ。」
「あー、幸せだ。なんて孤独なんだろう。」
そうカモメは呟いて、寂しそうに、でも嬉しそうに旅立って行きました。
あれはどういう意味だったのでしょうか。幸せなのでしょうか。寂しいのでしょうか。あのカモメは一体、何を求めて大空を飛ぶのでしょうか。
狼は、いつかあのカモメのように孤独な自由を満喫することができるでしょうか。
絶対的な自由などありはしない。皆が自由であるのを抱えられる世界は、存在し得ないからだ。海でさえ、空でさえ、ましてや宇宙でさえ、それを抱えることはできない。制限の中で、私たちは自由に生きるのです。
狼も自由を探しています。
たどり着いたその時には、あなたとその自由を共有できることを願っております。