聖良は愛を感じなくなってもやはり、それが普通で気づいてないだけで自分は愛されていると思いました
それが思い込みであったとしても信じていました
聖良は父親の愛情がわからなく、愛し方もわかりません
家族はもちろん、友情においても恋愛においてもです
聖良は時々こう思うことがありました
お母さんはなぜ、自分を産んだのか
産めば死ぬ可能性が高いことも医師から説明されていたはずなのに
産むことは、それだけで母親にとっての愛情だったのかもしれません
産むことが、死ぬかもしれない自分にできる唯一の愛情表現だったのかもしれません
愛がわからない聖良はそれさえも感じ取れることができませんでした
聖良の周りに、本当の愛が隠されていても気づくことはできないのです
愛があっても、愛を感じれなくなっていたことに気づけずまた現実逃避
小さい頃は産んでもらうことだけで愛情なのだとわからなかったから
理解ができなかったから
でもいつか、もしかしたらその思い込みの嘘でできた愛ではない
本当の愛を感じれる日は来るかもしれません
聖良自身の行動で、運命は変わるものですから