母の日を、頭から完全に締め出したのは5才の頃。
私はお小遣いなんてまだもらっていなかったし、もらっていたとしても、
それを貯めてモノを買うという発想もなかったろうし、
買うにしても何を買ったらいいのかすら知らなかったと思う。
でも大好きなママに何かしてあげたい。
そこで大切にしていた、親戚からもらった素敵なオルゴールをあげた。
笑って、あら、ありがと、くらいは言ったかもしれない。
そして翌日、母は兄からサボテンの鉢植えをもらったのだと私に言った。
これ、○ちゃんがくれたのよ。
あの子、お小遣いなんてすぐ使っちゃうのに、ちゃんと貯めてて買ってきてくれたのよ。あの子はそういう優しいところがあるのよね。
目に涙まで浮かべて、すごく嬉しそうだった。
私は母が置きっぱなしにしていた私のオルゴールを再び自分のものの中に放り込んだ。
「あら、くれるんじゃなかったの?」
「ちゃんとありがとうって言ったじゃない。変な子ね」
私は悔しくて悲しくて惨めでふくれっ面をしてたと思う。
その後、やり場のない思いのままオルゴールを壁に投げつけた。
すごく怒られた。
兄が買ってくれたというサボテンの花をもぎり取ってまた叱られた。
何が気に入らないのよ!せっかくお兄ちゃんがママにくれたものにこんなことするなんて!あんたはひねくれてる!
その後の小学一年生の時の
やはり母の日。
友達が一緒にプレゼント買いに行こう!
お母さんから百円もらったら(母の日なのに母からお金をもらう矛盾など思いもしない幼さ(笑))団地の下で落ち合おう!というので、ランドセルカタカタいわせて家に飛び込んで、仕事から帰って昼寝していた母に、
母の日のプレゼント買いに行くから
百円ちょうだい!と言ったら
ものすごく叱られた。
ママが寝てるときは絶対に起こさないでって言ってるでしょ!
だいたいそういうのを買うのに人からお金をもらうものじゃない!
泣きたい思いで待ち合わせ場所に行けば、
友達はニコニコしてお母さんが百円くれた♡もらえなかったの?じゃ、買いに行くの、一緒に行ってくれる?
彼女は近所のお菓子屋さんでキャラメルを一箱買った。
翌朝、その子から電話があり、遊びに来てと言うので行けば、昨日のキャラメルを一緒に食べよう!と。
お母さんにあげたんじゃないの?
うん。お母さん、涙浮かべて喜んでくれた!
それで、いいからあなたが食べなさいってくれたの。だから一緒に食べようよ!
お母さん優しいんだ!
私は差し出された甘いキャラメルを、
しょっぱい思いでかみしめた。
あのときの味、忘れられない。
その日の朝、
前日、私が母の日のプレゼントを買いたいといったことなど
まるっきり忘れたかのように、
またまた兄が買ってプレゼントしてくれたと小さなペンダントを手に
母はニコニコしていた。
私はそれを乱暴に扱ってやはり叱られたばかりだったので、
友達のお母さんとの違いを
イヤというほど思い知らされ、
ものすごく悲しかったのを覚えてる。
それ以来、世の中が母の日お祝いムードになってくると、視界から締め出すようになった。一切、祝うこともしなくなった。
兄は離れて暮らすようになっても
毎年のようにカーネーションを送ってきた。
その度、母は大喜びで、ハナから私からのお祝いなど期待してもいないようだったし。
その頃の私は娘というより母の愚痴と噂話の聞き役だったし。
都合のいいとこだけ、美味しいとこだけで良い息子でいる兄が嫌いで、カーネーションが入っていた可愛い植木鉢はゴミ箱にしてやった!
ええ、私は幼い頃、母が私に押した烙印通りにひねくれた娘になりましたから。
そして大人になった今、母とは絶縁。
もう多分、母が死ぬまで会わない。
自分の今の生活を中断してまでお葬式にも行かないと思う。
今、母はその兄と同居。
母と兄とは考え方がよく似てる。
何かあると何でも人のせいにするところ。
自分が一番正しいと思っているところ。
とはいえ、母の我儘に振り回されているらしい。
頑張ってね。
巡り巡ってくる母の日。
子供の頃に傷ついたこと、もう絶対に祝ったりしない!と心に決めてしまったことというのは、思いの外、頑固に心に残り続けるもので。
今ではもう悲しいともなんとも思わなくなったけれど、かすかな腹立たしさは浮かび上がってくる。
私にとって母の日は疎ましいだけ。
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こんにちは
私は幸い母の日がつらいと思ったことはありませんが、母の日がつらいという人もいるよなぁ、と考えられされました
今まで考えたこともなく、何気なく話題にしたりもしてましたが、
そりゃそうですよね
つらい人だっていますよね
世間ではお祝いムード一色で、母の日何するの?って話題ばっかりで、お祝いしないと、したほうがいいよ、って言われて、、
かと言って周りの幸せそうな雰囲気を壊すのも気が引けるし、母の日って広告も目に入ってくるし
今は距離をおいて生活されているようで、心穏やかに過ごされているといいなぁと思います
トラウマは簡単には癒えませんが
当時の小瓶主さんと、今の小瓶主さんでは見えているものも違うと思いますから
大切にしたいものを、大切にしていけますように
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